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この点、米国は対応が大人ですよ。「一定の条件さえクリアすればよし。後は自己責任で飛びなさい」ですから。ただ米国だと、金持ちは本物のヘリや飛行機を買うよね。そして、一般層にとって600万円は高い。「150万円ならぜひ欲しい」という米国人はたくさんいるのですが、それだと我が社はますます赤字がかさむ。また土地の広大さに比べて航続距離10キロはいかにも短い。だから2台しか売れてないんです。

そうそう、「米国」で思い出しました。ゲン・コーポレーションは、私が経営していた会社の一部門が独立する形で誕生しました。2003年のことです。「大赤字になるのは目に見えているのに、どうして法人化したんだ」と思うでしょ? これは米国でも『GEN H-4』を販売していることと関係しています。

ほら、米国って訴訟大国でしょ。製品の些細な不備にクレーマーが目をつけて、何億という賠償金の支払い命令がくだった企業の話をまま耳にするじゃないですか。万一『GEN H-4』にそういう事態が発生したとしても、会社には賠償金の支払い能力がない。だったら部門ごと独立して、いざとなったらそちらを潰せばいいんです。私、金儲けの才能はないのですが、そういう悪知恵はよく働くんですよ。

1999年7月の米国ウイスコンシン州オシコシでのデモ飛行風景。パイロットは交換留学生として来日経験があり、柳澤さんの指導のもと飛行訓練を積んでいた

航空特区をつくりパイロットを養成したい、赤字も解消したい

『GEN H-4』の今後については、私は「シティ・コミューターのようになってくれたらいいな」と願っています。ただそれは、先にもお話したがんじがらめの法規制もあって非常に難しい。そこで考えているのが災害時の活用です。ほら、近ごろは大きな地震も多いじゃないですか。救援物資や救助部隊はいるのに、道路が寸断されて容易には近づけなかった、という報道もあった。

聞いた話ですが、被災地に取り残された方が一番欲しているものは、水でも食料でもないそうですね。「あなたを見つけたよ。これから救助に行くよ」という人対人のコミュニケーションなんですって。それで人は1日余計に生きられるのだとか。

そこで『GEN H-4』が役に立つと思ってるんです。なにしろ小回りが利くし、多少の救援物資も搭載できる。「航続距離10キロ」は少々ネックですけれど、プロペラを外せば4トン・トラックに5機くらい積める。トラックで行けるところまで行って、そこをベースにして被災地に向かえばいい。そのために買い物かごをぶら下げるフックも取り付けているんです。

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