イトーキ 女性専用の事務用チェア(2) 洋菓子メーカーに食い込む〜工夫凝らし腰掛けるだけで美しい姿勢が保てる
(聞き手:諏訪 弘=フリーライター)
(前回記事はこちら)
女性に特化した事務用チェア「cassico(カシコ)」の正式開発・販売が決定したのは2005年のことである。商品開発・ブランディングを担当した秋山かおりさんには、心に決めていたことがあった。「デザインのためのデザイン」はしない。働く女性にとって本当に快適なチェアをつくる、と。
そんな「カシコ」も、デザイン上の遊びや見かけの可愛らしさを追求している部分はある。秋山さん自身、デザイン上の遊び心や見かけの可愛らしさを否定しているわけではない。
しかし「カシコ」はそもそも、「女性の身体に適した、快適な事務用チェア」というコンセプトの商品だ。その本筋だけは見失わないようにしよう、媚びるようなものはつくるまい、と常に心がけていたという。
本当に女性のことを考えてつくったことを訴求したい

「cassico(カシコ)」の商品開発・ブランディングを担当した秋山かおりさん
「カシコ」の発売にあたって、我が社はかなり大きな広告展開をしました。発売当初は交通広告として主要な路線の車両をジャックして吊り広告を行ったり、全国紙の新聞一面に広告を載せるなど。また、専用のカタログを作成したり、あるいは「オンナノシゴト向上委員会」と題したサイトを立ち上げたり。一度ご覧になって頂ければありがたいのですが、いずれも、いわゆる「女の子受け」を狙った体裁にはしていないのです。「カシコ」の機能性を前面に打ち出した、どちらかといえばクールなつくりにしている。それはやはり、本当に女性のことを考えてつくったということを訴求したいからなのです。
ただ「言うは易し、行うは難し」でして(笑)。実際、開発途上では内外からいろいろな意見を受けるわけなんです。「女の子向けのチェアなんて、ピンク色の生地に可愛らしいキャラクターのアップリケでも貼っておけばエエんや」とかね。いや、これはあくまでもたとえ話ですけれど(笑)。
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