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イトーキ 女性専用の事務用チェア(1) 170人のアンケートを基に女性に優しい椅子づくり

(聞き手:諏訪 弘=フリーライター)

 女性と男性とでは体格は大きく違う。にもかかわらずオフィスでは、男女同じ事務用チェアを使っていることが大半だ。この意外に見落としがちな視点から生まれたのが「cassico(カシコ)」。日本で初めて「女性に特化した」と謳う事務用チェアだ。開発・販売しているのは事務機器製造大手・イトーキである。

 従来「女性用」と謳う製品の多くは、ともすれば丸みを帯びた可愛らしいデザインや、ファンシーな色遣いといった「見た目」だけで差別化が図られている。しかし「カシコ」は、人間工学的な見地から女性向けに最適化した事務用チェアという点に特徴がある。

 そこには「女性用」という言葉から固定観念的にイメージされるものとは逆の、一種硬派なものづくりへの信念が感じられる。商品開発・ブランディングを担当した秋山かおりさんに話をうかがった。

男性と女性の身体の違いは皆さんが想像される以上に大きい

イトーキの商品戦略部デザイン戦略室の秋山かおりさん。千葉大学工学部の出身で、大学ではプロダクトデザインを専攻した

「女性に特化した事務用チェアをつくろう」という企画そのものは、実は2002年には出ていました。我が社には人間工学に関する研究をしている中央研究所という部門があります。そこの女性研究員のアイディアでした。「男女の体格差は歴然として存在するのに、いまの事務用チェアにはそれを考慮したものがない。女性にとって本当に座り心地が良く、使い勝手のいいチェアを開発すべきではないか」と。

総務省の統計によると、2000年の時点で女性事務専業者の割合は60%に達している。にもかかわらず、一日の大半を過ごす事務用チェアは、女性のことをほとんど考慮していないという現実がありました。我が社のポリシーは「人に優しいオフィス環境を提案する」です。女性の社会進出がこれだけ進んでいる現在、事務機器メーカーとしてはやはり相応の「回答」を提示すべきではないか、という考えでした。

そこで彼らは慶応義塾大学の山崎信寿教授の協力を仰ぎながら、女性用チェアの開発をスタートしました。ちなみに山崎先生は人間工学の権威でいらして、我々の業界では非常に有名な方です。

研究を進めていくと、「案の定」というべきことが多く判明しました。男性と女性の身体の違いは皆さんが想像される以上に大きい。女性にとって、身体に適さないチェアに長時間腰かけて仕事をすることのストレスは相当なものがあるのです。

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