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連想検索システム「想・IMAGINE」(2) 人間が思考するのにふさわしいツールをつくる

2008年5月1日

(聞き手:荒川 龍=フリーライター)

(前回記事はこちら

 優れたモノづくりは、秀でた個人のコラボレーションの下で実現する。そこには個別の才能を「作品」に統合するプロデューサーが不可欠。「連想検索」の開発で、高野はその役割を果たした。しかし、それが、開発以降の彼の実人生さえ大きく左右するものになるとは、本人も想像していなかった。

一見正反対の2つの研究を統合したプロデューサー

高野 明彦氏

「連想検索」の開発にはその前段がありました。日立製作所の基礎研究所時代、1993年から1年間、私はオランダの国立研究機関に留学しています。ちょうどヨーロッパ発のWebブラウザの黎明期でした。インターネットというインフラの開発は米国が先行しましたが、ホームページなどを見るWebブラウザの開発は、欧州の方が早かったんです。私はオランダで、そのWebブラウザを初めて使ってみて、「便利なもんだなぁ」と思った。これはコンピュータの重要な応用分野になると直感しました。

── 帰国後の1996年、彼は同研究所の研究室長に就任。分野の異なる15人の研究員を束ねて、何かインパクトのある研究集団をつくれと指令を受けた。高野は2人の研究者のテーマに着目し、その統合を提案する。それは研究分野もテーマも違い、どちらの研究者にとっても予想外のものだった。──

例えば、英語の「bank」には「銀行」という意味と、「(川の)堤」という異なる意味がある。人間なら、その文脈を読んで、その言葉がどちらの意味で使われているか判断する。一人の研究者は、単語のそういう多義性を、単語が使われている文脈を分析することで解消できないかをテ―マにしていた。分析作業をコンピュータに処理させるには、どうすればいいかを試行錯誤していました。

もう一人は、「現代用語の基礎知識」などをもとに、ある例題となる文章を示して、それに似た文書を探す。コンピュータを使って、それをいかに効率よく検索するか、という研究をテーマにしていました。2人の研究者は、所属する学会も違い、研究上の議論をすることもありませんでした。

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