ワコールが開発した「エクサウォーカー」(2) 「回答者の9割が体脂肪率が減った」とのデータを営業に生かす
(聞き手:長田 美穂=フリーライター)
(前回記事はこちら)
── 2008年4月から、企業の健康保険組合は、メタボリック症候群のリスクのある人に対して特定検診・特定保健指導を開始する。この新制度が、数千億円の新たな健康市場を生み出すと期待されている。千載一遇の機会。ここに「エクサウォーカー」を投入したい。そのためには、4月までに商品を出す必要がある。2007年2月に事業戦略部でエクサウォーカー商品化の準備を始めた久村剛史氏(38)は、4月から3カ月間、ワコールの男性社員を被験者にして、エクサウォーカーの効果を測定する調査を始めた。──
回答者の8割が「腹囲が減少した」
「スタイルサイエンス」長期着用の結果(拡大)
企業の健保さんに営業をかける際、それなりの調査結果があった方が説得力が出ます。
エクサウォーカーの企画立ち上げ時に決まっていたのは、既存の販路以外で売る、ということでした。つまり、これまでワコールが得意としてきた百貨店、量販店、下着専門店には卸さない。それ以外の販路で思いついたのは、健保組合のほかフィットネスクラブ、エステサロン、そして医療機関です。特に女性用のエクサウォーカーを産婦人科で妊婦さんの産後の体型回復に使ってもらえたりしたらいい。いずれも、これまでワコールとは接点のないお客さまばかりです。なおさら商品に説得力を持たせたかった。
ワコールの男性社員44人に3カ月、まだ完成前のエクサウォーカーを着用させて、内臓脂肪や皮下脂肪の変化を追うことにしました。
実は、ヒップウォーカーとおなかウォーカーの発売後の状況から、歩幅を広げるヒップウォーカーをきちんと着けていれば、内臓脂肪や皮下脂肪を減らす効果があるだろうと仮説を立てていたんです。つまりおなかにも効果があるだろうと。そこでエクサウォーカーは、おなかの筋肉に作用するおなかウォーカーではなく、大腿筋に作用するヒップウォーカーの構造を取り入れました。

3ヶ月後の体脂肪の変化
結果は、9割の人の体脂肪率が減り、8割の腹囲が減少した。社員だから協力的だし、食事の量を減らすとか歩き方を意識するといった“行動変容”を起こした影響もあると思うんです。それにしても、この結果には驚きました。これを10月の日本肥満学会で発表しました。
社員から「夏は蒸れるかも」といった意見が出たので、改良の参考にすることができました。こうして生産に入ったのが11月。
週5日、直履きで履いてもらうために最低限必要な3枚を1セットにして、歩き方の指導のためのDVDを付けました。ものづくりの部分にもっと時間をかけたかったのですが、発売時期を1月にするのは譲れない。ギリギリのタイミングで間に合いました。
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