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── 昨今はデジタルオーディオの世界にも、SACDやDVDオーディオなど新しいフォーマットが登場している。CDの数倍もの情報量が納まるメディアを用い、少しでもアナログ的な音に近づけようというわけだ。レーザーターンテーブルは、アナログの音をそのまま再生するという点では、すべてのデジタルオーディオの「究極の形」と言えるかもしれない。──

レーザーターンテーブルは最近になってようやく歩留まりが良くなり、往時の3分の1程度の価格で販売できるようになりました。けれども依然として100万円を超える高価な買い物です。それでもユーザーは20代の若者から80代の高齢者まで広がっており、製造が追いつかないほど注文がある。それはやはり非接触で、レコード盤を傷つけることなく、ありのままの音が出せるという性能を評価していただいた結果だと思っています。

レーザーターンテーブル事業に取り組もうと決意したとき、私はこうも考えていました。なるほど、新しいテクノロジーで生活を豊かに、便利にするのは立派な社会貢献だろう。しかし大量生産・大量消費の中で捨てられていくものに新しいテクノロジーで光を当てるのもまた社会貢献ではないか、と。すると多くの人が「無謀だ」と言いました。それは営利事業ではない。ボランティアの文化事業だ、と。

しかしわが社は“ボランティアの文化事業”をビジネスとすることに、ほんの一部とはいえ成功したのです。それはもしかしたらレーザーターンテーブルが完成したことよりも大きな勝利と言えるかもしれません。

諏訪 弘

1970年生まれ。広島県出身。大学卒業後、新聞社・出版社勤務などを経て、現在はフリーランスのライター・エディター兼カメラマン。PC・ビジネス系 をはじめ、エンタテインメントや書評関連などの仕事を多く手がける。

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