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“メジャーのファーム化”避けるヒントは敵にあり

2006年12月1日

 松坂大輔投手、井川慶投手、桑田真澄投手。米大リーグでのプレーを夢見て海を渡ろうとする、日本のスター選手達。相次ぐ報道は、「米大リーグ」と「日本のプロ野球」の違いを際立たす。選手達はなぜ、アメリカを目指すのだろう。

 プロ野球がメジャーから学べる事は何か、また、日本独自の仕組みでプロ野球を活性化する解はあるのか? 千葉ロッテマリーンズに1991年入団、投手として活躍した経歴を持つ小林至・江戸川大学教授に考察してもらった。4回シリーズの予定でお届けする第1回は、大リーグの前になぜ日本のプロ野球がその魅力を弱めたのか、どうしたら持ち直せるのかを指摘する。

松坂大輔のためにボストン・レッドソックスが費やす総額は100億円を超えそうだ、という話は、ワイドショーでも連日のように報道されているから、野球ファンならずともよくご存じのことだろう。

「このままだと日本のプロ野球が大リーグの草刈場もしくはファームになる」──。識者の間からは、このような懸念の声も出ているが、世の中の大半は歓迎・賞賛モード。松坂と交渉のテーブルにつくための権利金に60億も費やす大リーグの「チカラ」に驚嘆しつつ、松坂が大リーグの強打者を相手にどのような投球をするのか、今から待ち遠しいといった按配である。今から12年前、野茂英雄が移籍した際は、当時、彼が日本では五指に入る大投手だったにもかかわらず、ドジャーズの先発陣の一角に入れるのかどうかが論議されたころを思えば、隔世の感すらある。

「プロ野球」のブランドが壊れていく

それにしても、野茂にはじまり、佐々木一浩、イチロー、松井秀喜の大リーグでの活躍、さらには2006年春に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が優勝するなど、日本の野球のレベルの高さがことあるごとに証明・確認されているというのに、日本のプロ野球に明るい将来像が見えないのは、なぜだろう。それは、まさに先に記した懸念があるからだ。

つまり、スター選手が次々と流出していくことによって、プロ野球ビジネスの根幹である、日本において最も人気のあるスポーツの頂点の世界というブランドが、がらがらと音を立てて崩壊しようとしているからである。

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