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(桐原 涼=フリーライター)

脱サラ税理士の書評ブログ

今回は、本の達人であるsmooth氏を紹介しよう。「書評ブログはたくさんあります。橋本大也さんの『情報考学』のような分野横断型のスーパーブログもありますが、多くのブログはそれぞれの得意分野を明確にしています。私のブログはビジネス書の分野に特化しています」と、smooth氏は自身のブログの位置づけを説明してくれた。smooth氏は、脱サラして税理士業を営む傍ら、「マインドマップ的読書感想文」というブログを運営している。

書評の分野はブログ激戦区だ。smooth氏が紹介してくれた「情報考学Passion to the future」のようなオールマイティなブログもあれば、ニッチジャンルをフィールドとするマニア的ブログもある。書籍の分野は幅が広いので、書評ブログも多種多彩である。また読書好きの人の多くは、書くことも好きだ。このため書評ブログは、数も種類も豊富なのだ。

「ブログをやる以上、毎日の更新は欠かせないと考えています。読者もそれを前提に毎日読んでくれる人が多いようです」と、smooth氏は言う。「毎日の通勤時間を読書時間に決めています。また少しの待ち時間でも本を読むようにしています。その代わり家や事務所で読書することはありません」と、smooth氏。「ほぼ毎日更新」をポリシーとするブロガーは多いが、smooth氏の「マインドマップ的読書感想文」は、きっちりと毎日更新している。本の達人のライフスタイルは、とてもストイックである。

ロングテールの担い手

smooth氏が面白いことを教えてくれた。「私のブログではAmazon.comのアフィリエイトを行っています。私のブログの売上ランキングは、世の中一般のものとずいぶん異なります。私がお礼状好きを公言しているせいか、礼状本がよく売れます」。なるほど「マインドマップ的読書感想文」には、smooth氏と価値観や感性を共有する人が集まるのだろう。ニッチなジャンルのものであっても、情報を発信すれば、それを受け取る人がいるのがブログのよいところだ。

本は、出会い型の商品である。何らかのきっかけで出会って惹かれない限り、一般の消費者が本を買うことは少ない。最も有効な出会いは書評である。信頼できる人が「これはいいよ」と薦めてくれることによって、本の需要は喚起されるのだ。

書評のあり方は、ネットの普及により大きく変わったと言ってよいだろう。従来の書評は新聞や雑誌の書評欄に識者が書くものであり、書き手の数も頻度も限られていた。必然的に、取り上げられる本はベストセラー中心となる。これがロングテール理論における“ヘッド”を形成していた。だがブログの普及により、書評の“民主化”が進んだ。書き手の数も頻度も、一気に広がったのである。新しい書評の担い手であるブロガーは、多様な分野に散らばっており、その書評は、ニッチな書籍も多く取り上げる。これらのブロガーこそ、書籍のロングテール化の担い手と言えるのかもしれない。

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