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パワーブロガーの潜在力

パワーブロガーは、バイサイド情報の貴重な担い手である。だがその存在を知る人はまだ少ない。一般の消費者は、マスメディア中心の情報収集スタイルになじんでしまっており、ブログから生活情報を得ようとする人は少ない。また玉石混交のネットコンテンツの中から、本当に役立つ情報を選別することも難しい。メディアとしてのブログは、まだ発展途上だ。

しかしながらパワーブロガーを過小評価することもまた適切ではない。例えば「大野課長のタビタビ日記」には、おおよそ1万人の読者がいる。読者1万人という数は、マスメディアのレベルには達しないが、マーケティング的に無視できるレベルでもない。しかも大野課長が発信した情報は、瞬時にネットを駆け巡る。大野課長は“知る人ぞ知る存在”であり、ポイントやマイルに関心のあるブロガーのほとんどは、「大野課長のタビタビ日記」を読んでいる。大野課長から情報を受け取ったブロガーは、各自のブログの読者に向け、その情報を再発信する。大野課長はネット口コミの起点として、大きな影響力を持っているのである。

現在のところ、大半の企業はパワーブロガーの力に気が付いていないようだ。だがパワーブロガーの影響力は、水面下で日増しに高まっている。多くの消費分野において、パワーブロガーが生まれ、読者を増やし、消費者の商品選択に影響を与えるようになってきているのだ。消費者が何かを買うとき、テレビCMや製品カタログ、店員の話を参考にする。だが本当に役に立つのは、パワーブロガーが発信するバイサイド情報だ。この事実が浸透すれば、企業も消費者も彼らを無視できなくなる。パワーブロガーは、やがて消費のあり方を変えるかもしれない。   

パワーブロガーという生き方

同時にパワーブロガー自身の生き方も、変わりつつあると思われる。彼らの多くは、元はと言えば一般の消費者であったはずだ。本が好きで趣味で書評を書き、それを周囲の一握りの人に読んでもらっていた。ところがブログのパワーが増すにつれ、書評の読者が増え、読者からのリアクションも増えていった。そのような過程を経て、彼らは消費者の立場を超越するようになる。そこにはプロでもアマでもなく、生産者でも消費者でもない新しい生き方が、立ち現れてくるのではないだろうか。

桐原 涼(きりはら・りょう)

株式会社セレンディップ・ラボ シニアディレクター

経営コンサルタントとしての業務の傍ら、ネットメディアにて辛口の経営批評を展開している。ブログ「Critical eye for business —経営の視点/投資の視点—」を公開中。

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