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税制改正要綱が閣議決定、企業向けに減価償却見直し

2007年2月22日

(小長谷 敦子=公認会計士・税理士)

政府は2007年1月19日、2007年度税制改正要綱を閣議決定した。今後、国会の審議を経て、法律が成立し次第、実施することになる。

税制改正要綱は、企業に関する税制変更の柱として、減価償却制度の抜本的な見直しと中小企業関係の税制の整備を盛り込んでいる。いずれも経済の持続的な活性化と国際競争力の強化を実現するための措置だ。これらの減税措置によって恩恵を受ける企業は多く、企業のキャッシュフローが良くなることが予想される。

減価償却制度を見直し、100%償却可能に

まず、減価償却制度の変更から説明しよう。見直しは大きく3つある。第1は、2007年4月1日以後に取得する減価償却資産について。現在の「償却可能限度額(取得価額の100分の95相当額)」及び「残存価額」(取得価額の100分の5相当額)を廃止する。代わりに、法定耐用年数(税法上の使用可能な年数)を経過した時点で1円(備忘価額)まで償却できることとする。

第2は、2007年3月31日以前に取得した減価償却資産について。償却可能限度額まで償却した事業年度の翌年度から5年間で1円まで均等償却できることとする。

第3は、法定耐用年数の変更だ。次の3つの設備について、法定耐用年数を見直した。

  1. フラットパネルディスプレイ製造設備 5年(現行10年)
  2. フラットパネル用フイルム材料製造設備 5年(現行10年)
  3. 半導体用フォトレジスト製造設備 5年(現行10年)

設備や建物などを取得した場合、その取得額は資産に計上する。税金の計算上は、一度に損金にならない。法定耐用年数(使用可能な年数)にわたって減価償却費を計算し、その額だけを毎年、損金に算入していく。つまり、価値の減少額を見積もり、その金額だけを損金にできる。

損金とは、簡単に言えばコストのことだ。企業の収入からコストを引いたものが利益で、利益に一定の調整を加えた所得が、法人税の課税対象となる。2007年度に1億円の資産を現金で取得しても、減価償却費が2000万円であれば、税金の計算上損金にできる金額は2000万円のみである。たとえ1億円お金が出て行っていてもだ。別途、固定資産税もかかる。

今までは、取得価額の95%までしか減価償却ができなかった。残りの5%は売却か廃棄するまでは損金に計上できず、課税の対象となっていた。しかし、今回の変更で取得価額の100%(ただし1円の備忘価額を残す)を償却することができるようになる。このように減価償却の枠が拡大すれば、損金にできる金額が増す。結果として、設備取得後の浅い年度で、減税効果を得ることができる。

第3の変更によって、一部の資産については、法定耐用年数が短縮となる。これも、同様の減税効果につながる。

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