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カーライル「経営陣との基本合意がなければ投資しない」

2007年10月22日

(荒川 龍=ルポライター)

カーライル・グループ日本法人は、日本のビジネス慣習を踏まえ、企業との信頼感の醸成に苦労しつつ、事業を拡大してきた。その事業観とビジネスモデルについて聞いた。

経営陣との基本合意がなければ投資しない

安達 保 カーライル・グループ日本法人代表

「まず、申し上げておきたいのは、我々は、投資する企業の経営陣と基本合意ができない限り投資はしない、ということです。どういう事業計画でやっていくか議論をし、それを具体的な数値目標まで落とし込んだ形で、基本合意をします」

取材の冒頭、安達保カーライル・グループ日本法人代表は、この点を強調した。カーライル・グループは米系大手企業投資ファンド。ワシントンD.C.に本拠を置き、全世界28カ所にオフィスを展開している。投資先企業の数は347社に上る。日本進出は2000年。

安達代表の発言は、先の村上ファンドや、スティール・パートナーズ関連の報道を十分に意識したものだ。それらのファンドは、まず公開企業の株式を買い付けた上で、企業に経営改善を迫ったり、敵対的TOBを仕掛けたりした。

「しかし、我々は違います」と、安達代表は言う。

カーライルは、主に非公開企業に投資してきた。公開企業であっても、キトーのように買収後に非上場化することが前提だ。さらに言えば、経営に行き詰まっていて、抜本的な改革を求めている企業に、年金組合や金融機関などの機関投資家から集めた資金を投資する。同時に、社内外のスタッフを動員して、さまざまな経営サポ―トを提供する。キトーの取材を通して、前回までに書いた通りだ。

「カーライル・グループの企業投資は、その企業の株式を3年から5年の中・長期にわたって保有することが原則です。経営コンサルタント会社のような、フィー(手数料)・ビジネスではなく、その間に会社を成長させ、企業価値を向上させられなければ収益が得られない、ストック(株式資産)・ビジネスなのです」(安達代表)

基本合意を前提に、MBO(経営陣も出資した買収)と上場廃止を実施。続いて経営計画に基づき、主な経営課題ごとに、両社混成のプロジェクトチ―ムをつくって集中的に取り組む。その課題を解決した後は、現場から退きチェックする体制に移行する。具体的には、役員会で、各事業の業績や進捗状況を質問することを主とする。キトーとの約4年間も、このように取り組んだ。

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