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教頭在職中は校長に仕えて死ぬほど事務仕事をこなすから、校長になったとたんに「お山の大将」気分になるのも無理からぬところだ。しかし、実際にはマネジメントの「マ」の字も知らないで校長職に乗っかっちゃっている諸氏も少なからずいる。ただの事務長のままなのである。

唯一の上司である教育長には、忘年会の席などで、酒を注いでなんとか機嫌を取ろうと校長先生の長蛇の列ができる。サラリーマンとかわらない。

外の世界をほとんど知らないから、校長は校長同士で傷をなめあい、校長サークルの中で人生を営んでゆく。60歳で校長を辞めても、嘱託で教育研修所長とか教育相談担当の参与になりたいので、教育委員会には相変わらず頭が上がらない。その後も校長仲間とだけゴルフをし、旅行会や山登り会に参加する。

でも、生徒に及ぼす影響では、最後まで教員で通すプロ教師にはかなわない。生徒が大人になって結婚式に招くのは、校長ではなくて、「担任してくれた先生」だからだ。

このシリーズ最終回となる次回は、「今、学校を変えるために行動できること」をお送りします。12月20日(水)に公開予定です。第1回「なぜ教員は忙しいのか?」、第2回「教育委員会とは」もぜひお読みください。

藤原 和博(ふじはら・かずひろ)

1955年生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。1996年から同社フェロー。ビジネスマンのまま小中学校での教育改革にかかわる。

2003年4月から杉並区立和田中学校校長に、都内では義務教育初の民間人校長として就任。

全著作並びに活動の紹介は著者の「よのなかnet」に詳しい。

「処生術〜生きるチカラが深まる本」(新潮社)、『人生の教科書[よのなか]』(共著、筑摩書房)、『世界でいちばん受けたい授業』(小学館)、『公教育の未来』(ベネッセ)など多数。近著は『「ビミョーな未来」をどう生きるか』(ちくまプリマー新書)。

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