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「教育委員会」とは〜教育委員会事務局と混同してはいけない

2006年12月6日

(藤原 和博=杉並区立和田中学校校長)

 今回は、「教育委員会」(以下、教委と略すことも)というあいまいな存在を、読者にキッチリつかんでいただこうと思う。そうでないと非常に安易な「教育委員会無用論」が闊歩(かっぽ)することになるからだ。そもそも、「教育委員会」とは何か、どういう組織かを説明する。さらに、教育委員会と混同されやすい「教育委員会事務局」も詳説したい。

教育行政を実際に行うのは「教育委員会事務局」

まず、用語の確認をしておきたい。

自治体には5人程度の「教育委員」がいて会をなし、その「教育委員会」の代表が「教育委員長」である。表面的にはこの人たちが、その自治体の教育政策のすべてを決めることになっているから、ひとたび教育問題が起これば、責任者はこの「教育委員会」だということになる。

しかし、実態はいささか異なる。

教育委員は学識経験者ではあっても、教育行政の専門家ではない。実際の教育行政は自治体の1、2フロアは占めるほどの人員を擁した「教育委員会事務局」が担う。そのヘッドが教育委員の1人でもある「教育長」だ。この「教育委員会事務局」のことも教育委員会と呼ぶから混乱が起きるわけだ。

会社で言えば、自治体の首長(区役所なら区長、市役所なら市長)は社長に例えられる。会社でいう「役員会」のメンバーは、自治体の場合、通常、4人で構成される。首長の他に、助役(副社長)と収入役(専務取締役財務担当、昔の出納長)、そして教育長(さしずめ常務取締役教育事業担当)である。ほとんどの政策は、実際にはラインの長である教育長に率いられた教育委員会事務局が文科省や都道府県教委の顔色を見ながらつくってしまうから、教育委員の活躍の余地は極めて少ない。教育委員は、いわば“社外重役”であり、教育政策の方向性を決めるスタッフ的な役割をしているにすぎない。つまり、“名誉職”という色彩が強いのだ。地方によっては教育長も完全に名誉職であって、ほとんど仕事らしい仕事をしていない例もある。

なぜ、こんなややこしいことになっているのか。説明しようとすると、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)が日本の教育制度改革に手をつけた歴史にまでさかのぼらざるを得ない。

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