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仕組みだけの「内部統制」には限界がある〜甘粕 潔氏

2008年4月8日

(聞き手:大沢 玲子=フリーライター)

 前回までの記事でも触れてきたが、企業の不祥事が後を絶たない。J-SOXは、財務報告の信頼性向上をうたう。会社法はコンプライアンス(法令遵守)を推進するための「内部統制システム」構築を企業に求める。ならば、「内部統制」に取り組むことで、企業の不祥事は減るのか? その問いかけに、甘粕潔氏は「法に則った仕組みをつくるだけでは限界がある」と指摘する。

 「内部統制」の限界はどこにあるのか。不正行為を防止する方法はあるのか。不正対策の専門家である「公認不正検査士(CFE)」の育成と普及に携わる甘粕氏に聞いた。

甘粕 潔(あまかす・きよし)
日本公認不正検査士協会専務理事
1965年生まれ。銀行勤務を経て、2003年にディー・クエスト取締役就任。2005年から公認不正検査士協会(ACFE)の事務局長を兼務。2007年日本公認不正検査士協会設立にともない、専務理事就任。法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科兼任講師。公認不正検査士(CFE)。

── 不正対策において、「内部統制」の限界はどこにあるのか。

甘粕 限界をもたらすのは、ずばり“人”。なぜなら人間は必ずミスをする。悪いと分かっていても、プレッシャーに負けて数字をごまかしたりする。さらには、不正を働きながら、自分の行為を正当化しようとする。人間は不正を働くもの、という人的リスクはなくならない。

「内部統制」は、不正を防止する“仕組み”としては有効だ。まずは、「内部統制」の実施基準を見据え、法的要件を満たすことが不正対策の第一歩。だが、それは、あくまでも最低限のラインにすぎない。不正をなくし、内部統制の最終目的である「企業価値の向上」を達成するには不十分だ。

仕組みを動かしているのは、不完全な人間。人間がかかわる限り、完全な制御は難しい。しかも、地位の高い人ほど権限を悪用し、不正に走りやすい傾向がある。内部統制を推進する経営者の不正リスクこそが高い。内部統制の最大の限界だ。

不正対策は“仕組み”と“人”の2つの観点から考えるべき。内部統制の有効性を高めるには、もっと“人”にフォーカスした取り組みが必要だ。

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