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働く場所を選ぶ基準も、投資基準も、内部統制で決まる時代が来る〜弁護士 浜辺陽一郎氏

2008年3月28日

(聞き手:大沢 玲子=フリーライター)

── まず、広い意味での内部統制は、今後、どうあるべきかについてうかがいたい。

浜辺 内部統制には、一つの正しい形やひな型があるわけではない。形をはめてしまうと、逆にその裏をかこうと企てる人間が出てくる。新しい法律を定めても、すり抜ける人間が常に出てきて、改正がくり返されるものだ。

浜辺 陽一郎(はまべ・よういちろう)
1984年、大学在学中に司法試験合格。1985年、慶應義塾大学法学部卒業。1987年、弁護士登録し、都内の渉外法律事務所に勤務。ニューヨーク州弁護士資格取得。1995年に帰国し、現在、早稲田大学大学院法務研究科教授、早稲田大学リーガルクリニック弁護士。著書に『コンプライアンスの考え方』(中央公論新社)、『これ一冊でわかる「内部統制」』(PHP研究所)などがある。

法律が定める「内部統制」の実施基準は大枠にすぎない。実態に合わせ、適正に対応していくことが必要だ。内部統制を行うための実際の方法や求められる水準は、時代によっても変わる。消費者や世間が何を要請するのか。個人情報の保護ひとつをとっても、要請の水準や敏感さが大きく変化している。その意味で、内部統制の取り組みにはゴールがない。

明確なモデルがないためか、「内部統制は難しい」ととらえる人が多い。しかし、基本はシンプル。消費者や世間のニーズに合理的かつ柔軟に対応する。企業がビジネスを行なう上で当然のことだ。当然のことを、これからもきちんとやっていけばいい。

内部統制は、決して新しい存在ではない。これまでは、悪い内部統制、良い内部統が混在していた。そこに、一連の会計スキャンダルが起きた。これを受け、金融商品取引法が良い内部統制の基準を制定。有価証券報告書の虚偽記載の罰則や行政処分のルールも定めた。

やりっぱなしでチェック機能もない内部統制ではなく、経営者自らが内部統制システムを点検・評価し、外部監査人から監査を受ける。具体的な要素としては、業務上のさまざまなリスクを正しく評価し、対応策を整え、業務プロセスを可視化する。不正やミスなどの情報が、経営者や管理者に適切に伝達される仕組みを整備する。従業員が、コンプライアンス部門などへ不正情報を通報できるシステム(内部通報システム)を機能させる。その際、ITを効果的に利用する。これらが良い内部統制の基本的な枠組み。あとは、会社の実態に合わせ、対応していくこととなる。

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