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J-SOXによる内部統制は“始まり”にすぎない

2008年3月27日

(大沢 玲子=フリーライター)

2008年4月以降に始まる事業年度から、上場会社は、「金融商品取引法」(金商法)が求める「内部統制報告制度」に則った「統制」を実践しなければならない。

2006年5月に施行された新会社法も、大企業(資本金5億円以上または負債200億円以上)に「内部統制」の体制整備決定を義務付けている。また、非上場企業に対しても内部統制システムの整備を要請している。

金商法が定める「内部統制」は、会社法が求める「内部統制」の目的を1つに絞り、実施基準や罰則規定などを具体化したものだ。

会社法が求める「内部統制」には、4つの目的がある。「業務の有効性・効率性」、「財務報告の信頼性」、「法令遵守」、「資産の保全」。金商法が定める「内部統制」は、4つの目的のなかでも「財務報告の信頼性」を直接的な規制対象とする。一連の会計粉飾事件発生を受けて、金融庁の企業会計審議会内部統制部会が審議。金商法の中に、内部統制に関する報告義務を盛り込むことを決定した。アメリカで施行されたサーベンス・オクスリー法(SOX法)と目的を一にすることから、日本版SOX法(J-SOX)と呼ばれる。

有価証券報告書の数字が果たして信頼できるものなのか。企業は、これまでも行なっていた財務諸表の監査に加え、財務諸表を作成する過程(内部統制システム)と、その運用体制も外部監査人に報告し、監査を受けなければならない。

金商法と会社法、この2つの法律のどちらから「内部統制」を見るか。それによって「内部統制」に対する捉え方は変わる。だが、今後の内部統制のあり方を考える上で、2つの法制度で分けることにはあまり意味がない。内部統制の真の目的は、制度に縛られることではなく、あくまでも「企業価値の向上」にあるからだ。

J-SOX が定める実施基準とて、指針にすぎない。すべての企業や時代にあてはまるひな型があるわけではない。企業内外の変化に応じて、あるべき内部統制の姿も変わっていく。

内部統制への取り組みは、2008年4月をもって終わるわけではない。むしろ、これは始まりにすぎない。「企業価値の向上」を達成する内部統制とはどうあるべきなのか。内部統制は、企業社会や市場、働く人間にどのようなインパクトを与えるのか。次回以降、さまざまな角度から識者に意見を聞く。

大沢 玲子

津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。NTT勤務を経て、出版社へ。経営実務誌、男性誌、女性誌の編集に携わる。現在は、フリーランスとして、ビジネス誌を中心に執筆。

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