運用予算で日本の宇宙開発は破綻か
前回、「JAXA予算から、『きぼう』運用予算を出す余裕はない」と書いた。
実際問題として、現在の日本の宇宙開発予算は大きく減少している。1998年以降、情報収集衛星開発が旧宇宙開発事業団(NASDA)、現宇宙航空研究開発機構(JAXA)の予算に割り込んできたためだ。宇宙開発の予算は、ちょうど情報収集衛星の分だけ目減りし、それだけ日本が宇宙開発分野でできることは減少した。
このような予算の割り込みは、情報収集衛星が最初ではない。1980年代半ばに国際宇宙ステーション(ISS)計画が立ち上がったときも、当初は既存の宇宙予算とは別にステーションの予算を支出するはずが、実際には既存の予算に食い込む形となった。
これまでの経緯を探っていくと、宇宙開発予算の現状は、政治がきちんとした意志を示さなかったものを官僚が取り繕った結果であることが見えてくる。なにか政治的な決定が行われるたびに、既存の予算枠が実質的に削られるのだから、これではできるものもできなくなってしまう。
もしも既存の予算手法で、「きぼう」の運用予算が捻出されることになると、日本の宇宙開発予算は、30年以上昔に逆戻りということになる。
一気に予算を食いつぶした情報収集衛星
宇宙三機関統合によって、独立行政法人のJAXAが2003年10月に発足した。JAXAは国家予算から支出される運営費交付金、特定の目的のために交付される補助金、政府の仕事を請け負う受託収入などで運営される。
2005年度の予算を見ると、運営費交付金が1314億円、補助金が施設整備費補助金82億円、国際宇宙ステーション開発費補助金333億円、地球衛星開発費補助金が36億円、受託収入が481億円、その他収入6億円を合わせて、合計2251億円となっている(1億円以下は四捨五入)。
統合前の旧NASDA、旧宇宙科学研究所、旧航空宇宙技術研究所は1998年度には合計で2192億円の予算を使っていた。これだけを見ると、現状のJAXAは予算微減ということになる。
next:しかし実態はそうではない…
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