打ち上げはスペースシャトルの運行回数次第
文部科学省が2005年9月30日に公表したところによると、米航空宇宙局は、日・米・露など15カ国が参加して地球周回軌道に建設中の国際宇宙ステーション(ISS)建設にあたり、日本が開発を担当している生命科学実験施設「セントリフュージ」の打ち上げを中止すると通告してきた。2010年引退が決まっているスペースシャトルが、引退までに十分な打ち上げ回数を確保できないためだ。
NASAは2010年までに19回のシャトル打ち上げを実施するとしている。うち18回のシャトル打ち上げで、日本独自の実験モジュール「きぼう」を含む、残る構成要素を打ち上げ、ISSを完成とする意向だ。残る1回は「ハッブル」宇宙望遠鏡の整備ミッションに充てるとしている。
しかし、米国内では18回の打ち上げを疑問視する声もあり、一部ではISS向けの打ち上げ回数は16回、さらには8回にまで減るのではないかとする報道も出ている。ISSの日本モジュール「きぼう」は、3回のシャトル打ち上げでISSに組み付けられる予定になっている。16回になると、おそらく日本への打ち上げ割り当ては2回になり、一部構成要素が打ち上げられないことになる。8回ならば割り当ては1回となり、「きぼう」の与圧実験室のみの打ち上げとなるだろう。
日本は、日本モジュール「きぼう」の完全な打ち上げをNASAに要求している。10月17日には福岡で開催された宇宙関係の国際会議に来日したNASAのグリフィン長官と、小泉顕雄・文部科学政務官が会談し、小泉政務官は「きぼう」早期打ち上げを要請した。報道によると、グリフィン長官は「きぼうの品質は素晴らしく、無駄にはできない。しっかり打ち上げたい」と返答したという。
この会談をセットするにあたっては、内閣府が「対グリフィンシフト」と形容すべき、集中的な動きを見せた。相手のトップを攻略することで、1985年以降、多額の予算をつぎ込んできた「きぼう」をなんとしても打ち上げようというのである。
残念ながら内閣府の動きは遅すぎたと言わなくてはならない。すでに事態は、グリフィン長官がどのような意向を持つかで変化するものではなくなっている。
「きぼう」打ち上げは、ひとえに2010年のスペースシャトル引退までに、シャトルを何回打ち上げることができるかという技術的問題にかかっている。事が技術である以上、NASAトップの意志がどうであれ、できることはできるし、できないことはできない。データを積み上げて考察していくと、18回の打ち上げはかなり危ういことが見えてくる。
next:18回の打ち上げ達成のためには、9カ月間隔で飛ぶ必要がある…
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