西武のカリスマ・堤義明氏による支配の構図
(松崎 隆司=経済ジャーナリスト)
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2006年1月16日、西武鉄道、コクド、みずほ銀行のコンプライアンス担当部門に対して「建言書」と書かれた文書が送られた。
送り手は「西武の伝統を守る会」。西武の元役員たちが、西武グループの窮状を目の当たりして立ち上げた組織だ。米サーベラス・グループや日興プリンシパル・インベストメンツを引受先とする増資案を柱とする西武グループ再生計画に危機感を抱いている。
これに先立つ1月12日、大手全国紙の1面トップを、サーベラスの関連会社と暴力団に関する疑惑が飾った。
「3月に発足する西武グループの統括会社である『西武ホールディングス』の筆頭株主がこのサーベラス社であり、しかも同社から派遣される取締役の一人が暴力団との関係が指摘されている人物であることは言語同断であるといわざるを得ません」(「建言書」)
「西武の伝統を守る会」は、西武グループ経営陣が進める再建策について、これまでも多くの疑問を提起してきた。サーベラスの報道はこれを確信させるものだったという。
増資の引受先の問題はサーベラスだけではない。日興プリンシパルは、「粉飾まがい決算」の疑惑が取りざたされている。
みずほコーポレート銀行は当初、コクドと鉄道、ホテルの統合を構想
金融庁は2004年8月30日、みずほコーポレート銀行に対する金融特別検査に着手した。ターゲットは西武グループだ。
そこでコクドが債務超過となっている可能性が指摘されたため、みずほコーポレート銀行はコクドの債務者区分を正常貸出先から破綻懸念先に変更した。
このときコクドは経営危機に直面していたという。
西武鉄道の幹部によると、「コクドは営業利益段階で100億円近い赤字が出ていた。これを簿価80円程度で持っていた西武鉄道株を売ることで利益を出し、黒字化しようとしていた。しかし西武鉄道の上場廃止で株が売却できなくなってしまった。主要取引銀行は2年3年ルールで早急に再建案を考える必要に迫られた」。
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