楽天オリジナルの警備を目指す
当人はそう言って笑うが、他にも細かな配慮を進めていったようだ。例えば、試合日には300人の警備および誘導係が小野寺氏の配下となって動く。彼ら現場メンバー全員に、入場客の視点に立った改善の提案を求めた。「自分がもしも客ならば、どういう場所に球団側の人間がいてほしいのか」、「どこでどんな案内をすれば分かりやすいのか」などなど。そんな小さな改善案を集約し、マニュアル化していったという。
「北海道日本ハムファイターズの本拠地の札幌ドーム(野球開催時の収容人数は約4万人)や阪神タイガースの甲子園球場(収容人数は約5万人)に比べれば、われわれのフルスタ(フルキャストスタジアム宮城)は小さな球場です。収容人数は約2万人でしかない。それでも、お客さんの視点でチェックしていったら、不足しているアナウンスやサービスはまだまだあると思います。そのすべてを即座に埋めることはできないかもしれません。でも、少しでも気持ちよく観戦してもらえるように、これからも努力していきたいと思います」。
そもそもフルキャストスタジアム宮城は、1950年に建てられた旧県営宮城球場を大急ぎで改修したもの。すでに半世紀を経ているだけに、設備面での問題もある。加えて、少しでも収容人数を増やすために、楽天イーグルスは2006年シーズン開始までに大規模な再改修工事を予定している。この改修においては、小野寺氏率いる警備チームからの提言も採用されていくことだろう。
「今年はたくさんの方が球場に来てくれました。本当にうれしかった。でも、来年はもっとたくさんのお客さんが見に来てくれることを願っています。そして、もっともっと気持ちよく観戦できるようにしたいと思います。うれしいのは、楽天野球団という会社が、どんな仕事を進めるにしても、新しいチャレンジにつながる意見に積極的に耳を傾けてくれる体質になっていることです。『既存の球場警備を勉強するのもいいけど、もっと独自色を出してくれ』と言ってもらえる。だから、来年は、今まで以上にオリジナル色を出していきたいと思っています」。
「楽天イーグルス立ち上げ奮闘記」は毎週月・水・金に更新。次回は、10月26日(水)に掲載する予定です。
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