数字では示せないもう一つの効果 楽天 執行役員 野田公一氏
もともとプロ野球の大ファンだった野田氏は、マーケティング担当役員という立場を離れて、プライベートな感情からも「楽天イーグルス誕生」を大歓迎した。試合がある日は、Webサイトにアクセスして経過を追ったり、社員食堂に置かれたテレビで観戦したり、という熱の入れようだ。「決して強くはないけれど、必死で戦っている選手を応援できて本当にうれしい」という。
試合日に社員食堂のテレビの前にやってくるのは、実は野田氏ばかりではない。グループ全体の従業員数が3500人に至る楽天。そのうち六本木ヒルズの本社オフィスにいるのは約1500人だが、楽天イーグルスの試合中継が始まると、テレビ前には人だかりができる。
「特にシーズン開幕早々のころはすごかった。負けていた試合で逆転ヒットが出たりすると、皆で歓声を上げて大騒ぎ(笑)。とうとうある夜、ビルの管理事務所から注意されてしまったほどです」(野田執行役員)。
どうやら、「うるさい」という苦情が別フロアから管理事務所に届き、お小言をもらうハメになったようだ。六本木ヒルズと言えば、今や「最先端を行くビジネスマンが集う場所」。クールなイメージが定着している。実際、楽天をはじめとして、ヤフーやライブドアなど先進ITビジネスで成功した「勝ち組ベンチャー」や、名だたる大手外資系企業などが居を構えている。まさかそんなビルで「プロ野球観戦の声がうるさい」という苦情が発生していたとは…。
「社員食堂ばかりじゃないです。オフィスでも、だれかが突然『あー』とか『おー』と声を漏らしたりする。そういう声が同時にあちこちのブースから聞こえた場合は、たいてい楽天イーグルスが試合をしていて、点を取ったり、取られたりしたタイミングなんですよ(笑)」。
野田氏同様に野球観戦が好きな楽天従業員はたくさんいるようだ。ただし、昔から野球好きだった人ばかりではない。
「自分の会社がチームを持ったから最初はなんとなく応援していた、という社員もいます。いや、そういう人の方が多いんじゃないかな。ところが、そのうち少しずつ野球の面白さを知って、気が付いたら熱狂的なファンに、というケースも珍しくないんです」。
野田氏がこう語ると、グループ広報を担当する勝浦麻里氏は、こんな話を教えてくれた。
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