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「われわれとしては、もしまた(ヤフーが)グーグルの検索エンジンを使いたいと判断されるのであれば、いつでも『どうぞ使ってください』という気持ちなんですよ。いまでも」。

グーグル日本法人の村上憲郎社長

グーグル日本法人の村上憲郎社長は、「ヤフーさんが昨年、独自の検索エンジンを使う、と発表されたときにも、同じコメントをしたんですが…」と語った後、穏やかな表情でこう続けた。

だが、そのような“和解劇”が見られることは当分ないだろう。2004年6月、ヤフーがグーグルとの契約を打ち切り、独自の検索エンジンを採用してから約1年半が経過した。その間、MSN(マイクロソフト)も独自の検索エンジンを開発。市場では、三つ巴の闘いが繰り広げられている。

急成長する検索連動型広告市場

なぜ、検索市場において、IT業界の巨人たちが熱い戦いに取り組んでいるのか? その第1の要因として、ネット広告市場の急伸が挙げられる。

米国ではすでに2004年、ネット広告の市場規模が前年比約33%増の96億ドルに達した(米IAB調査より)。日本でも、2004年に国内企業が使ったネット広告費は1814億円、前年比53%増という高い伸びを示している(電通調査)。

そのなかでも急成長したのが、検索キーワードに関連する広告を表示する「検索連動型広告」だ。従来のバナー広告よりも、クリック率が高いだけでなく、その先の購買行動などにも結びつきやすい、と注目を集めている。

アウンコンサルティング(本社:東京都千代田区)で広報を担当する河田顕治氏によると、「2004年の市場規模は350億円で、前年比3倍超」も伸びたという。アウンコンサルティングは、検索結果や検索連動型広告において上位に表示されることを望むクライアント向けに、Webサイト最適化などのコンサルティングサービスを提供する会社。2005年以降についても「2005年には648億円、2007年度には1200億円まで拡大するだろう。その後は、成熟期に入るが、2008年度1250億円、2009年度1325億円、と拡大基調は変わらない」と予測している。

グーグルが先行していた検索サービス市場にヤフーらが乗り込んできたのは、こうしたビジネスチャンスを見込んでのことだ。売り上げの9割を広告収入が占めるヤフーやグーグルにとって、検索連動型広告市場を制覇することは至上命題となっている。

今のところ、その軍配はヤフーに上がっている。調査会社ネットレイティングス(本社:東京都渋谷区)によると、2005年8月の検索利用者数(国内における家庭からのアクセス)は、ヤフーが2582万9000人、グーグル1227万4000人、MSN1243万9000人となっている。日本のポータルサイトの先駆者であり、代名詞ともなっているヤフーが、その強みをいかんなく発揮した結果と言えよう。

しかし、このようにヤフーが突出しているのは、日本だけの現象だ。米国でも欧州でも、検索市場ではグーグルが断然トップの地位にある。

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