環境問題はエネルギーと食糧の問題だ
技術のなんたるかをまるで理解していない人間の発言だ。40年もあればなんとかなるにきまっている」などという雑駁な思い込みは、技術に対する無知の裏返しである。
某大臣の技術に対する不遜な態度に迫った経営者が語る。
「わが社に限りませんが、技術というものは基礎研究から始まり、それが製品として日の目を見るまでには30年くらい平気でかかる。いまわが社の収益を担っている製品を見ても、その基本技術は30年くらい前に開発されたものばかりだ」
40年も経てば、その間には画期的な技術が生まれるに決まっているなんて話は、幻想、妄想でしかない。そもそも環境問題とはどんな問題なのかという議論が日本ではきっちりと行われていない。『ほんとうの環境問題』(新潮社)の著者である池田清彦氏と養老孟司氏が、情緒いっぱいの日本の環境認識に鋭く切り込んでいる。
「環境問題とはつまるところ、エネルギー問題と食糧の問題である」という池田氏は、まえがきのなかで能天気な日本人に挑発的な言葉を投げかけている。
「(日本の)エネルギー自給率は四%である。食糧についてはいざとなったら、全国のゴルフ場をイモ畑にすれば、なんとかしのげるかもしれないがが、エネルギーの自給率が四%ではさすがにどうにもならない。未来のエネルギーを確保するためにはどういう戦略が必要なのかこそが、日本の命運を左右する大問題なのだ。地球温暖化などという瑣末な問題にかまけているヒマはない」
リアリティをもって環境問題を考えさせてくれる一冊だ。
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