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万能細胞の研究に投入する国費は、わずか30億円

そんな日本の現状を思うと、京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて万能細胞(iPS細胞)の作製に成功したニュースの持つ意味がさらに重みを増してくる。臓器を修復する再生医療の実現に大きな一歩を記した。これぞ日本が国家をあげて支援すべきビッグプロジェクトであることは言うまでもない。

文部科学、厚生労働、経済産業の3省による支援策がまとまり、2008年度に投入する国費の総額がこの1月に公表された。 なんと、たったの30億円。

大手製薬メーカーのトップが呆れ顔で語った。

「大きな可能性がある研究です。官民合わせて最低でも1000億円くらい集めろと言いたくなる。米国と戦うなんてできやしません」

道路には10年で59兆円のカネをつぎ込もうというのに、万能細胞には1年で30億円。これが継続しても10年でも300億円にしかならない。まことに残念だが、日本のバイオ研究は国際競争から完全に取り残されてしまったようだ。

財部 誠一(たからべ・せいいち)

1980年、慶應義塾大学を卒業し野村證券入社。出版社勤務を経て、1986年からフリーランスジャーナリスト。1995年、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」設立。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして活躍。テレビ朝日系の『サンデープロジェクト』、BS日テレ『財部ビジネス研究所』などに出演。

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