このページの本文へ
ここから本文です

怖いのは「円高」ではなく「円高恐怖症」

2008年3月26日

『日経ビジネス』3月24日号の緊急特集『さらば円高恐怖症』は、数あるメディアの記事のなかで出色だ。「円高が怖くない3つの理由」として同誌はつぎの3点を挙げている、

1)輸出企業は米国以外に収益源を移している
2)大企業が「為替リスクゼロ」経営へ加速
3)輸入企業には追い風

日経ビジネスが挙げる3つの理由は「その通り」

まったくもって、その通りだ。「輸出企業」と表現される企業の多くは、この10〜15年で劇的なグローバル化を図っている。何もかもすべて日本国内で生産し、米国に輸出しているかのようなイメージは、「輸出企業」の実態からかけはなれている。世界のどこで生産し、いかなる販売のネットワークを構築していくか……大企業に限らず、中堅・中小企業まで含めて、多くの日本企業は地球全体を視野に入れて大きくビジネスモデルを変えてきた。

ましてや、米国だけが収益源だった時代はとうの昔に終わっている。この5〜6年は、BRICsに象徴される新興国の凄まじい経済成長に加えて、ヨーロッパ経済も空前の活況をみせた。それこそ、「輸出企業」にとって市場は世界地図のすべてに広がった。

為替リスクゼロ経営も、決して新しい話ではない。日本企業にとって最大の円高危機は1995年だった。1ドル79円は、日本企業を本気で「為替リスクゼロ経営」に走らせるのに十分な衝撃だった。生産拠点を世界各地に広げ、いざとなったら、最適な生産調整をすることで為替リスクを回避する。そんな取り組みがもう10年以上も前から行われている。

そして「輸入企業に追い風」というのは、当たり前の話だ。本来ならとりたてて語るべき話ではない。だが最近は「資源価格や輸入農産物の価格が上昇しているから円高メリットがない」などといった論調が多すぎる。それは逆だ。「輸入物価が上昇しているからこそ、円高のありがたみが増す」と言うべきであろう。

(全 2 ページ中 1 ページ目を表示)

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る