初回は迷惑メールフィルターをすり抜けるかも
筆者に届いたこの種の手口と思われる迷惑メールのうち2通は受信フォルダーに届き、残りは迷惑メールフォルダーに届いた。迷惑メール業者にとっては、受信フォルダーに2割も届く、「打率2割」ということなら成功と考えるかもしれない。
しかし、受信フォルダーに届いた迷惑メールを、筆者は迷惑メールフィルター会社に「フィルター漏れ」として連絡した。受信者の中の複数人が同じ対応を行っただろう。同じ送信者が同じ施設から似た文面の迷惑メールを送信すれば、次回からは迷惑メールフィルターで排除されるはずだ。
迷惑メールフィルターが進化したので、メルマガ送信サービスやMLを悪用しても、迷惑メール業者の思い通りにはならない。この種の手口が復活しても、フィルター漏れとなる迷惑メールはたいして増えないだろう。
しかし世の中には、迷惑メールフィルターを使っていない人や、低性能なものを使っている人も多い。こういう人に届けばよいと考える迷惑メール業者がいれば、手口が消え去ることはない。初回だけ迷惑メールフィルターをすり抜ければよいと考えて、メルマガ送信サービスを乗り換えながら送り続ける迷惑メール業者の登場にも警戒が必要だ。
「だれも知らせてくれない」点が過去とは違う
設備を悪用された側には大迷惑な話である。他の善良な利用者が巻き添えを食うからだ。
「あのメルマガ配信サービスで送信すると迷惑メール扱いされやすい」という悪評は致命的だ。社員向けにMLを運用している企業では、「あの会社から届くメールは迷惑メールフォルダーに入りやすい」という事態を招く。しかも、迷惑メール送信業者に悪用されているという根本的な原因については、だれも知らせてくれない。
迷惑メールフィルターの性能が不十分だった何年か前までは、迷惑メールを受信した人が、「御社内から迷惑メールの送信が行われている」と送信施設の管理者に連絡することがあった。迷惑メールを撲滅するために、積極的に連絡する人もいた(筆者もその一人)。
最近は、「送信施設には連絡しない」という人が増えている。「迷惑メールフィルターが迷惑メール扱いする場合、実害はないので連絡する必要性を感じない。迷惑メールフィルターが検出できなかったときは、迷惑メールフィルター会社に連絡する。送信施設には一切、連絡しない」という人が増えている。
周囲の何人かに尋ねたところ、「悪用の被害に気が付かない企業側にも問題があるので、他のメールが迷惑メール扱いされても自業自得だ」、「迷惑メール業者を顧客にするようなメルマガ送信会社は、つぶれてもかまわない」という感想を述べた人もいた。同情を買う要素が少ないので、第三者が親切心で知らせてくれることに期待は持てないようだ。
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