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「メール暗号化ソフトの利用率29.4%」という不思議な調査結果

(須藤 慎一=ライター)

インターネットを利用する個人のパソコンユーザーの29.4%が「電子メールの暗号化ソフト等を利用している」という調査結果が出た。情報処理推進機構が2007年12月に発表した「2007年度第1回 情報セキュリティに関する脅威に対する意識調査報告書」の54ページに書いてある。

約30%とは多すぎはしないだろうか。「1%にも満たない」と思っていた筆者が遅れているのか。それとも、アンケート回答者の考える「電子メールの暗号化」と、筆者が考えるそれとは異なるのだろうか?

一般のパソコン利用者は、メールの暗号化について誤解している可能性がある。

セキュリティ対策の実施状況を尋ねる設問

この調査は、個人のパソコンユーザーの情報セキュリティに関する意識や行動を調べる目的で、独立行政法人情報処理推進機構が2007年7月にWebアンケートで実施したもの。調査対象は15歳(高校生)以上のパソコンのインターネット利用者で、5160人から有効回答を得た(男50.0%、女50.0%、平均年齢40.1歳)。日本の個人のパソコンユーザーを幅広く調べた調査と言える。

報告書は、情報セキュリティ対策の実施状況について、「必要性に対する明確な認識がなくても対策は行っているというインターネットユーザーが少なくない」と特徴を分析している。セキュリティ対策の実施率が上がっているのは好ましい。

筆者が気になったのは、冒頭で示したメールの暗号化ソフトの利用率29.4%という数字である。調査票に書いてあるその部分の質問文と調査結果は以下のとおりである。質問と回答の選択肢の文章は、誤解を与えるような書き方はしていない。それより前の設問にも、誤解を与える表現や誘導するような記述はない。バイアスなしに公平に質問していると言える。

【質問文】
Q21 あなたが主に使っているパソコンでは、このような対策はされていますか?
1.Microsoft Update等によるセキュリティパッチの更新
2.セキュリティ対策ソフトの導入・活用
3.パスワードの定期的な変更
4.パスワードを誕生日など推測されやすいものを避けて設定
5.怪しいメール・添付ファイルの削除
6.電子メールの暗号化ソフト等の利用
7.怪しいと思われるウェブサイトにはアクセスしない
8.よく知らないウェブサイトではファイル(ソフトウェア)をダウンロードしない
9.パソコンの重要なデータのバックアップ
10.不要になった自宅パソコンの廃棄・リサイクル前のデータ消去

(「2007年度第1回 情報セキュリティに関する脅威に対する意識調査報告書」89ページから引用)

【調査結果】
情報セキュリティ対策の実施状況
「6.電子メールの暗号化ソフト等の利用」

  実施している  29.4%
  実施していないが、今後はする予定  17.1%
  実施していない  41.8%
  実施しているかどうかわからない  11.7%

(「2007年度第1回 情報セキュリティに関する脅威に対する意識調査報告書」54ページから、該当部分を抜き出して引用)

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