受信後の迷惑メールフィルターではパンク?
これまで多くの迷惑メールは、文字だけのもので10Kバイト程度、画像つきのものでも35Kバイト程度だった。100Kバイトを超える迷惑メールが増加したらどうなるかを考えてみよう。
筆者のGmailの迷惑メールフォルダーにたまっている迷惑メールは9500通、87Mバイトである。Gmailは、1カ月たつと迷惑メールを自動的に削除するので、これが1カ月の迷惑メールの件数・容量である。
10倍になると870Mバイトである。個人的には、なんとか耐えられるサイズだ。しかし、Gmailやプロバイダの立場で考えると、とんでもない事態になる。誤分類でないか確認してもらう期間、念のため保管しておくのが迷惑メールフォルダーの役割だ。もし、迷惑メールが10倍に大容量化すると10倍のディスク容量を用意しないといけない。
「念のため」なのだから期間を短くしてもよいかもしれない。とはいえ、1カ月の10分の1の3日間だと短すぎる。1週間程度は必要だろう。すでに1週間に設定しているプロバイダもある。プロバイダのディスクの設備増強は必要なのだ。
個人のメールソフトも安泰ではない。多くの人はメールソフトにためたメールを削除することなく蓄積している。迷惑メールフォルダーの中身だけは削除するという習慣をつけない限り、メールボックスが10倍の容量を食うことになる。メールボックスのサイズが10Gバイト級になるとパソコンのディスク容量不足に陥る人が頻発するだろう。
こうした事態を抜本的になくすためには、プロバイダや企業のメールサーバーが、迷惑メールを受信しないようにする対策が不可欠になる。迷惑メールの常習送信IPアドレスからのメールは受信拒否、メールサーバーが受信しながら内容をチェックして、迷惑メールなら受信を打ち切るといった対策である。
受信拒否、受信打ち切りといった対策は、今すぐプロバイダが採用するわけにはいかない。「通信の秘密」と「表現の自由」の保障や、「権力や企業による通信への介入の懸念」という微妙な問題を抱えているからだ。プロバイダや監督官庁は、利用者や国民の意向を確認して、採用が許される受信拒否の条件を早めに決める必要がある。大容量迷惑メールに先を越される最悪の事態は避けたいものだ。
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