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秘匿を「ひじゃく」と読む会社のセキュリティは大丈夫か?

(須藤 慎一=ライター)

20歳代の若手女性社員は、契約書の個人情報に関する部分で、「秘匿」を「ひじゃく」と読み上げた。重要事項説明書の最重要部分の音読が義務付けられている契約の場で、最近、筆者が遭遇した実話である。

この会社は業界では大手で、社内研修をしっかり実施しているという。契約時の顧客対応は、ロールプレイング形式で声を出して研修したはずだ。それなのに「ひじゃく」と読んだのは、上司や教育担当者も「ひじゃく」と読んでいたからではなかろうか?

こういう会社の個人情報の保護やセキュリティ対策は怪しいかもしれない。あなたの会社も、若手に「ひじゃく」と読ませてはいないだろうか?

ITセキュリティ用語を一般社員も使う時代になった

セキュリティに関する用語の中には読むのが難しい漢字が多い。軍事や保安など特殊な業界の用語が移入したからだろう。これまでは、一般のビジネスパーソンはセキュリティ関連の難読漢字に触れる機会がなかったので問題なかった。

ところが、個人情報保護法の施行で状況が一変した。個人情報保護の規定には、セキュリティ分野の難読漢字がいくつも含まれているのだ。生活者を顧客とする仕事において、自社の個人情報の取り扱い方法を説明したり、個人情報の利用許可を得る必要が出てきた。

加えて、難読漢字を読めないことが露呈しやすくなっている。不動産や介護などの分野では、契約者を守るために、重要事項説明書や契約書の一部を読み上げることが義務付けられている。

個人情報保護法の施行で表舞台に登場した難読漢字の代表が、情報を安全に隠しておくことを意味する「秘匿(ひとく)」だろう。かなり多くの人が「ひじゃく」と誤読する。そして、誤読者の一部は意味も分かっていない。誤読者に「匿名」の読みを尋ねると、「じゃくめい」と誤読する率が高い。ただし、「とくめい」と読むと指摘すると、意味は理解していることが多い。

他のセキュリティ用語で、一般のビジネスパーソンが目にすることが多く誤読者が多いのは次の漢字である。

字句を直してしまう「改竄(かいざん)」を「かいくう」と誤読する人がいる。筆者の知人は、ペットではあるまいし「かいねずみ」と読んだ。

履歴書と3文字なら読めるのに、「操作履歴(そうさりれき)」だと「そうさふくれき」と誤読する人がいる。漢字を絵柄として、パターン認識で覚えているらしい。

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