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規格外れのメールアドレスに返信しようとすると、「メールアドレスに誤りがある」というエラーを出して、返信できなくする。メールソフトが送信を許しても、プロバイダや会社のメールサーバーがメールアドレスを厳密にチェックするタイプの製品だと、「不正なメールアドレスで配送できない」というエラーメールが返ってきて返信できない。一方で、このような規格外れのメールアドレスへの送受信を許すメールソフトやメールサーバーもある。この場合、問題は現れない。

筆者の環境では、パソコンのメールソフト「Outlook2007」と、ウイルス対策ソフト「McAfee VirusScan」は規格外れのメールアドレスに送信しようとするとエラーになる。返信したいときには、やむなく、規格外れのメールアドレスを許容するWebのフリーメール「Gmail」から返信している。

迷惑メール防止の裏ワザとしてケータイ利用者に普及

返信できないメールアドレスを使うケータイ利用者に、「規格違反だ」とか「メールアドレスを変えろ」と文句を言ってもたいてい徒労に終わる。規格外れのメールアドレスを使うと、「(ケータイ以外から届くことが多い)迷惑メールを減らすことができる」と考えている人が多いからだ。迷惑メール拒否のために、意図的にこのようなメールアドレスを設定しているのである。

ケータイへの迷惑メールが社会問題になり始めた2000年ごろから、規格外れのメールアドレスを使うケータイ利用者が急増した。なかでも、冒頭で紹介した「@の直前にピリオドをつける」「途中に連続ピリオドを含める」という2パターンが、迷惑メールを防ぐ裏ワザとして、都市伝説のように学生に広まった。パソコンとメールのやり取りをしない高校生、大学生には問題が生じないので、あっという間に普及した。

確かに当時は、規格外れのメールアドレスを使うと迷惑メールを防止できた。迷惑メール業者は、パソコンで動作する迷惑メール送信システムを利用している。当時は、メール処理の汎用プログラムライブラリを流用して、迷惑メールの送信システムを構築していた。ほとんどの汎用ライブラリは、正しいメールアドレスの場合だけ正常に動作する仕様だった。規格外れのメールアドレスを処理しようとすると、エラーや予期しない動作が起こり、送信できなかったのである。

ただし現在、ネットで公開されている、入手が容易なプログラムライブラリを見ると、規格外れのメールアドレスに対応しているものが複数ある。最近の日本製の迷惑メール送信システムは、これらの対応済みライブラリを利用していると思われる。規格外れメールアドレスにも容赦なく迷惑メールが届くことから、迷惑メール対策として規格外れメルアドを利用するのは過去の手法になったと言えそうだ。ただし、日本語以外の言葉で届く、海外の業者が発信する迷惑メールを防ぐ効果はあるかもしれない。

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