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企業の内部情報や怪しいネタで株価操縦を図る「ネット仕手」

2007年3月19日

(須藤 慎一=ライター)

米国証券取引委員会(SEC)が米国時間の3月8日、35銘柄の取引を一時的に停止した(関連記事)。大量の迷惑メールによって株価が操作された可能性があるとの理由だ。日本でも、テレビなどで速報ニュースが流れた。

これに先立つ2月26日、SECは、企業が発表する前の業績情報が狙われた「事件」について情報を公表している(関連記事SECの発表)。不正アクセスなどの手段で企業の秘密情報を盗み出して、株式市場で270万ドル以上の利益を得た容疑者を告訴したという内容だ。

3月が決算期という企業は多い。これから株主総会までの間、市場は業績がらみの情報に敏感に反応する。ニセ情報の流布や未公開情報の盗難の影響を、企業はモロに受ける。ビジネスパーソンは、その「とばっちり」でひどい目に遭う可能性がある。

ネット仕手株に便乗して信用を失う

真偽の怪しい情報を書いたメールを送りつけて、株価操縦を謀る。これが、相場に関する迷惑メールを送る者の狙いである。3月8日にSECが取引を停止した35銘柄は、その犯罪の被害者である。実際には、幅広い銘柄について迷惑メールが出回っているので、35社は氷山の一角にすぎない。

特定企業の情報を書いた迷惑メールの多くは、「業績が予想とは異なる」といった“耳より”の情報が書いてある。ほとんどの場合、株式の売買を特定の方向に誘導する意図がミエミエなので、内容を信用する気になるようなものではない。

内容を信じる人が出ることを期待するよりも、「怪しい情報に便乗して短期売買をすれば得をする」と考える人を相手にしたメールという性格が強い。尻馬に乗る便乗投資を誘う、ネット時代の仕手株である。

しかし中には、会社名と会社情報を書いてあるだけの迷惑メールもある。業績が良くなるとも悪くなるとも書いていない。これは、素早く売買を完了することが目的の迷惑メール送信者が、注目度を上げて出来高を増やすことで、売買のチャンスを得ようとしているのであろう。

ビジネスパーソンなら誰でも、こうした迷惑メールを受け取る可能性がある。不用意に尻馬に乗るとトラブルに巻き込まれる可能性がある。

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