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法には触れない未承諾メール送信業者のやり方

メールの件名の冒頭に「未承諾広告※」と付けて、表示義務のある事項をメール本文などに正しく記載すると、そのメールは合法である。迷惑なメールではあるが、法律には違反していないので取り締まりはできない。

こうした合法の未承諾メールを専門で送る会社が存在する。合法とはいえ、送信を依頼するのは、風俗店やマルチ商法まがいの広告主がほとんどである。当然、未承諾メール送信会社の契約するプロバイダへは、受信者からクレームが届く。規約に基づいて、あるいは何らかの理由を付けてプロバイダは契約を解除しようとする。メールソフトやプロバイダの迷惑メールフィルタは、こうした会社の送信したメールを迷惑メールとして扱う。

結果的に、大規模に未承諾メールを送る商売は成り立たなくなった。廃業した会社も多い。だが、作戦を変えて生き残っている会社もある。社内のサーバーで大量のメールを送るのをやめて、少数(とは言っても1回に1万通以上)の未承諾メールを送る下請けを大量に雇って送ってもらうのだ。

下請けは比較的簡単に集められるらしい。パソコンとインターネットを使ってできる在宅ビジネスとして、未承諾広告メールやネット掲示板で募集する。「犯罪ではない」とうたい、長く続けることができることを強調する。夜間や休日の副業として小金を稼ぐにはちょうどいいと考える個人が狙われるのである。

小遣い稼ぎのために送信業者に加担するのは危険

「1日だけサーバーを(IPアドレスを)貸してくれたら数万円払う」、「あなたの会社のパソコンで、このソフトを1日だけ動かしてくれたら数万円払う」と言う迷惑メール業者もいた。3年ほど前に、筆者の知人の何人かが小遣い稼ぎのために協力したというのだ。個人事業者が多く集まる共同オフィスでの話である。

共同オフィスとは、複数人で執務スペースをシェアする雑居の事務所のことである。机ごとに別の会社で、机ごとに電話とADSL回線が引き込まれていることが多い。迷惑メール業者は、了承を得た人の机の片隅にノートパソコンを置き迷惑メールを送信した。異なる机に移動することで、送信に使う回線を変えながら、何日間かにわたって迷惑メールの送信を続けたそうである。

プロバイダへの加入暦が長い優良顧客のネットを短期間だけ借り、そこそこの数の迷惑メールしか送らなければ、プロバイダは何も言ってこないという読みなのだ。プロバイダの契約では他人へのまた貸しを禁止していることが多い。この場合、加担した人の行為は違反となるし、業務妨害としてプロバイダから訴えられる可能性もある。

利用を許可して報酬までもらっていたら、罪に問われる可能性もある危険な副業だと知っておきたい。特に在宅起業やアフィリエイトに興味のある人、高校生・大学生あたりが引っかかりやすいので、周囲のそんな人にも目を配ってほしい。

須藤 慎一

本業は通信や情報機器のプランナー/ライター。企業を訪問して事例を取材するのが大好き。ライフワークとして迷惑メール対策にも取り組んでいる。
http://www.ipaco.co.jp/prof/

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