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迷惑メール送信犯は“億”の利益を得ていた

2006年11月6日

(須藤 慎一=ライター)

迷惑メールを利用した犯罪を警察などが摘発する事例が、世界的に増えている。迷惑メールを使った“悪のビジネス”の仕組みや、売り上げ・利益の規模が、報道されるようになった。驚いたことに、1年間に1億円以上の利益を得た者もいたのである。

迷惑メールを送る行為は、小ずるがしくてみみっちい行為に思える。その連想で、迷惑メールを送信しても小遣い程度の儲けしか得られないように感じてしまう。これはとんでもない誤解のようだ。

アメリカでは2006年8月に、株価を吊り上げる目的で、偽の情報を迷惑メールとして送信した夫婦が告発された(関連記事)。この夫婦は、あらかじめ特定の株を購入しておき、株価の値上がりを誘う迷惑メールを送信した。実際に株価を3倍に高騰させることに成功し、およそ100万ドルの売却益を得たのである。

英語で書かれた株がらみの迷惑メールが増えている。多くの送信者がこの夫婦と同じ規模の利益を得ているとしたらたいへんだ。裏返せば、被害者がたくさんいるということになる。

迷惑メール送信業者に罰金550万豪ドル

一方で、迷惑メールの送信者のリスクは高くなっている。摘発された場合の罰則が厳しさを増しているのだ。オーストラリアでは10月27日に、迷惑メール送信業者が550万オーストラリア・ドル(約4億9700万円)の罰金を科せられた(関連記事)。オーストラリアは、迷惑メールを法律で厳しく規制している国として知られている。

日本では「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」と「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)」によって迷惑メールを取り締まっている。特定商取引法は、最大で罰金300万円または懲役2年、法人は罰金3億円が科せられる。特定電子メール法は、最大で罰金50万円である。

懲役刑まである点で、日本は迷惑メール送信者に対して厳しい姿勢で臨んでいると言える。実際に懲役刑を下す例も出ている。他人名義のメールアドレスなどを使って出会い系サイトの広告メールを送信した者に、千葉地裁が9月、懲役8月・執行猶予3年の判決を下した。

世界的に、派手な迷惑メール送信者が捕まるようになってきた。これは好ましい傾向だ。しかし、目立たない方法で迷惑メールを送信する“分身の術”を使う業者が増えてきている。

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