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「サービス業の要は社員教育、これに生かせる」

小山社長はさらに、HD(ハイ・ディフニション。高精細画像)画質のビデオ会議システムを体験した。こちらの画像はさらにきれいだ。デモで映し出される花束の、花粉までもが見えそうな精細画像に驚嘆の声をもらす。「これだけ画質がいいと、確かに経営スタイルも変わってくるでしょうね。例えば地方にある工場の製造工程をHD映像で本社に送り、リアルタイムで打ち合わせをしながら生産していく、とかね」。

小山社長は、「ビデオ会議システムへの投資がペイしやすいのはやはり製造業だろう」と言う。いわゆる「職人技」の伝達や製品のチェックなど、これまで、人がその場に行くことでしか実現できなかったことがビデオ会議システムによって代用できるからだ。「では『サービス業ではペイしないか』というと、もちろんそんなことはない。我が社もサービス業。私だったらこれを社員教育用のツールとして使いますね。サービス業は、商品では差別化できない。ライバルも同じような商品を売っているからです。ではどこで差別化するか? 人材しかありません。社員教育こそ要なのです」。

小山社長が構想する教育用途の利用はこうだ。まずは前述した早朝勉強会での利用。社員を一堂に介させることは時間的・スペース的な問題もあって難しい。このため現状は、部門ごと・班ごとに分けて実施している。ビデオ会議システムを利用すれば社員全員に等しく教育を施すことができる。社員の質にまだらがなくなり、より充実した顧客サービスが可能になる。あるいは商品知識勉強会などを外部メディアに録画しておけば、後から何度でも見返して勉強することができる。これは新卒・中途採用社員の教育に有効だ。

さらに、こうしたコンテンツを蓄えておけば、それ自体が1つの商品にもなる。「我が社には経営サポート事業部というセクションがある。全国の社長さんの経営のお手伝いをしているのです。私の講演やセミナー、会社見学会などの様子をビデオ会議システムで記録・配信すれば、より効率的で満足度の高いサポートが可能になると思います」と小山社長。

一通りのデモンストレーションの見学を終えて、小山社長はこう語る。「念のため強調しておきたいのは、そもそも社内のコミュニケーションが円滑でない会社がビデオ会議システムを導入したからといって、急にコミュニケーションが良くなりはしない、ということです」。

「ITは、存在しない資質を付与してくれるものではない。逆に、普段からアナログ的なコミュニケーションがしっかり取れている企業にとってビデオ会議システムは、社員教育の上でも情報共有化の上でも、もちろん業務の効率化の上でも、極めて有効なツールになると思います」。

小山昇(こやま・のぼる)氏のプロフィール

1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業後の1976年、日本サービス・マーチャンダイザー(現在の武蔵野)に入社。退職後、会社経営などを経て1985年に同社に再入社、1989年より現職。

独自の社内マネジメント手法は評価が高く、現在は年間120回あまりの講演・セミナーを精力的にこなす。

著書多数。中でも『「儲かる仕組み」をつくりなさい----落ちこぼれ企業が「勝ち残る」ために』、『「決定」で儲かる会社をつくりなさい』(共に河出書房新社)は読者に大きな驚きをもって迎えられ、ベストセラーになった。

諏訪 弘

1970年生まれ。広島県出身。大学卒業後、新聞社・出版社勤務などを経て、現在はフリーランスのライター・エディター兼カメラマン。PC・ビジネス系 をはじめ、エンタテインメントや書評関連などの仕事を多く手がける。

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