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「売れている店」のナレッジを共有して不人気商品の売り上げを伸ばす

ビデオ会議システムを導入するまで、同社は、本部と店舗間で電話ミーティングを行なっていた。電話で各店舗の情報を集めて戦略を決定し、また電話でそれを伝えるという具合でだった。しかし電話は基本的にパーソナルな1対1のメディアである。「だから電話では、周知を集めて意思決定をすることは難しい。その点、ビデオ会議システムはn対nで話ができるので、ナレッジの共有もスムーズにできます」(温盛氏)

ノジマの会議風景

「ナレッジの共有」では、かつて同社はこんな経験をしている。ある商品は、A店では非常によく売れるのにB店ではあまり出ない。そこで、両者の差はどこにあるのかをA・B店の店長と売場責任者、そして本部との三者間でビデオ会議システムを通じて検討した。その結果、どうも陳列の方法とポップの書き方に差があることが分かった。そこでB店がA店の売り方をまねしたところ、果たしてその商品の売り上げはグンと伸びたのだ。

「B店の売り上げが伸びたのは、やはりビデオ会議システムがもたらした恩恵でしょう。店内の映像をリアルタイムに共有して話し合えたことが大きかった。電話でのやりとりで同じことが実現したかというと疑問です。仮説→検証のフローも、ビデオ会議システムのおかげで相当に効率的になりました」(温盛氏)。同社は現在、営業担当者による新店舗展開時のプレゼンテーションや、経営首脳による決裁などビジュアル要素が不可欠な会議には、積極的にビデオ会議システムを利用している。

ビデオ会議システムがなかったら「M&Aをしなかったかもしれない」

導入の動機の1つであった店舗間・対本部とのコミュニケーションは、確実に良くなった。温盛氏は「ビデオ会議システムは定額制なので、どんなに使っても使用料の心配はない。だから誰もが気軽に利用しています。本部から特に指示をしなくとも、店舗同士で自発的に情報交換をし合っています」と言う。前述した通り、同社はビデオ会議システムを全店舗に導入している。各店舗は網の目状にネットワークされていて、いつでも、どこの店にでもアクセスしてビデオ会議を持つことができる。

現在は、週に2回程度のペースで、売場担当者が自発的にミーティングを持つようになった。各店舗の携帯電話担当者同士、AV製品担当者同士が、商品情報やクレーム情報、多く寄せられる質問事項などの情報を交換し合う。顧客サービスの質の向上が期待できる。「ビデオ会議システムのおかげでお客様への対応スピードが上がり、顧客満足度も向上しました」(温盛氏)。

ノジマはいま、信越地方の家電量販店と四国の携帯電話販売チェーンを吸収合併する準備に追われている。「いずれも本社から離れているので、当然ビデオ会議システムを導入しようと考えています。というよりビデオ会議システムがなかったら、そもそも合併しようという気になっていたかどうか…」(温盛氏)。

諏訪 弘

1970年生まれ。広島県出身。大学卒業後、新聞社・出版社勤務などを経て、現在はフリーランスのライター・エディター兼カメラマン。PC・ビジネス系 をはじめ、エンタテインメントや書評関連などの仕事を多く手がける。

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