マーケティングには使える、ゲーム機での操作が検討課題
(須藤 慎一=ライター)
連載の最終回なので、結論を述べよう。セカンドライフは、企業やビジネスパーソンにとって「使えるメディア」だと思う。
多くの日本企業がセカンドライフをネットマーケティングの場の1つとして注目している。大企業に先行して、小回りの利く企業がセカンドライフの表舞台に登場した。セカンドライフは日本でも立派に離陸したと言えよう。
ただし、何でも思いのままにできる“夢の仮想空間”が登場したわけではない。関係者からは、「広告用途には使えるが、物販のプラットフォームにするなら別の仮想世界」、「操作は、パソコンよりゲーム機の方が向いている」、「シェアの高い仮想世界を使いたい。今はセカンドライフに乗っているだけ」という発言もあった。
リンデンラボ社は、仮想世界における1つのビジネスモデルを提示することに成功した。だが、日本企業が求めるのは、もっと別のモデルの仮想世界かもしれない。
セカンドライフ出店の正式発表が遅れる理由
著名日本企業の米国や欧州の現地法人が、セカンドライフに数多く出店している。自動車、家電メーカーなどの関連会社である。この5月、それらの企業の日本本社に、セカンドライフの日本での利用について取材をお願いした。結果は、「正式発表はまだ先なので取材を受けることはできない」という回答が多かった。「発表はできないけれど、検討している」「計画を進めている」というニュアンスの企業が多かった。
意外だったのは、欧米の現地法人が実施しているセカンドライフでの活動について、意外と冷淡だったこと。「海外の現地法人の裁量で行っているもの。本社が関与した活動ではないので、詳細を把握していない」という回答が多かった。「セカンドライフにいち早く熱心に取り組んでいる、ととらえられるのは避けたい」という雰囲気も感じた。
セカンドライフで活動している米国企業の日本法人で広報を担当者している人が、私見として話してくれた内容が、その理由を代弁しているように思う。「セカンドライフは米国のネットサービスなので、日本企業が利用する際に『誰と、どのように』契約したらよいのか不明だ」。「ネットのサーバー提供サービスなのだが、動作や性能をどのように保証しているか分からず、不安がある」。「物販を行う場合、適用されるのは日本の法律なのか米国のものなのか定かでない」。これらの点をすべて解決しないと、日本の著名企業たるもの参加はできないというわけだ。
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