島元氏は、検討中のホットなテーマを4つ挙げる。1つ目は「リクルート」である。仮想世界とはいえ店舗に来てくれたお客様に応対する「人」が必要となる。質問に答えたり、通販サイトでリアル商品を購入する方法を紹介するなどのコミュニケーションは、やはり生身の人間の方が温かい。
そこで、セカンドライフ店内で働く「店員さん募集」を検討している。スポット的に期間限定で採用するところからやってみる。その場合、「給料はリンデンドルで払うべきなのかリアル通貨の方がいいのかも考えなくてはいけない」と島元氏は笑う。
2つ目が「アフィリエイト」である。すでに男女各500人ほどのセカンドライフ参加者が、無料衣装を着用している。これらの人が周囲の参加者にセシールを推奨してくれたら、お礼を提供しようというアイデアである。セシール店舗に新しいお客様を連れて来る、また、着てくれる人を増やしたら、リンデンドルを提供するアフィリエイト的なことを検討している。筆者はこの話から、創業時のセシールが主婦の推奨販売でシェアを広げた姿を思い浮かべた。
3つ目は、他の企業とのコラボレーションである。具体的な話は決まっていないものの、幅広く受け入れる予定だという。
4つ目は、セシールポイントとリンデンドルの交換だ。ただし、解決しなければいけない課題も多い。法律的な問題はないのか、セカンドライフとリンデンドルの信頼性をどう評価するか、交換レートはどう設定するか…。それでも「できることなのかどうかも含めて検討してみたい」と、島元氏は熱意を持っている。
チャレンジしながら世間の話題を先取りしていく作戦である。
制作を委託する企業を見極める
セシールは、セカンドライフ内に建てる建物やアバターの衣装のCGデザインやプログラムの制作を外部の企業に委託している。今後参入する企業の担当者に参考になる情報を島元氏に聞いたところ、「委託先の選定を注意深く行う必要がある」という。
セシールは複数社に一式を制作する見積もりを依頼した。制作費は100万円台前半から1000万円近くまで10倍近くの開きがあった。料金体系が確立しておらずバラツキが大きいし、仕上がりの品質が予測しにくい。
セカンドライフでの「実績」を見せてもらえない会社もあったという。セカンドライフでの建築やデザインの業務は新しい分野なので、企業に納入した実績を示せないことは理解できる。しかし、クリエイターが個人的に、あるいは社内プロジェクトとして、セカンドライフ内に建物を建てることは可能だろう。それさえせずに、商談に参入する企業があったそうだ。
実績を出せないこうした会社は、スケジュールや工数(コスト)を提案できないので、注意しないといけない。セシールは、クリエイターが個人で制作した制作物を見て品質の高さに満足して、過去に付き合いがなかったにもかかわらず、その会社に決めたという。
実際の制作に要した期間は、建物が3週間、衣装2種類で3週間だった。
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