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イチ押しのスーツ新商品を無料で提供

セシールは、すでに中長期的な目標も定めている。セカンドライフを使って顧客と双方向でコミュニケーションし、顧客の意見や嗜好(しこう)などを収集する計画だ。儲けるための商業行為は自社の通販サイトで行えばよいので、セカンドライフ内で物販をすることは、現段階では考えていない。

話題作りを兼ねた、顧客に関する情報集めを、既に一部実行し始めた。アバター(CGによる参加者の化身)が着用する男性用「Dスーツ」と女性用ワンピースを、5月22日から無料で提供し始めた。6月11日の段階で、男女各500人ほどの参加者が着用して(持ち帰って)くれた。

Dスーツは、セシールが7月から発売するビジネスマン用スーツの新作。同社のイチ押し商品である。社内の商品開発部門が、「セカンドライフで提供するなら、Dスーツがふさわしい」と推奨した。アバター用の衣装は、今後も少しずつ増やす予定である。

セシールの調査によると、若い人は「お母さんが買っていた下着のメーカー」というイメージを強く持っているという。島元氏は「セカンドライフへの取り組みによって、新しいことをやっているカタログ総合通販会社であることを若い層にアピールできた」と評価している。

顧客の嗜好を感じる

「セシールに行くと服をもらえる」とうわさが広まり、セカンドライフ店舗への来店者が増えた。その結果、さまざまな情報が得られるようになった。セシールあてに、「ワンピースはもっと“攻撃的”な方がよい」とか「浴衣を用意してほしい」という意見が直接届いている。

直接のリアクションがなくても、「来店者が交わすチャットを見ているだけで、建物や衣装について『そういう見方もあるのか』など顧客の反応をくみ取ることができる。女性用ワンピースの上に、無料提供した男性スーツのジャケットを羽織っている女性アバターもみかけ、『そういう着こなしもあるのか』と参考になった」(島元)という。

セシールの狙う顧客層と、セカンドライフの現段階の参加者とは、大きく傾向が異なる。前者は、主婦などの女性層。後者はパソコンのマニアが多い。しかし島元氏は「いまセカンドライフのアーリーアダプター/先駆者層にアプローチしておくことが、普及期にマジョリティ層を獲得するために重要」という考え方だ。「他社より先に手がけ始めたので、他社よりも一歩先を行く企画を進めることができる」(島元氏)。

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