情報に呼ばれる“快感”は「狩猟型読書」から〜今から鍛えなおす「直感」(3)
直感を強力に鍛えるなら「美術館」や「寿司屋」がいい。前回はそう述べたが、「そんな時間もおカネもない」という人もいるかもしれない。そこでもっと簡便に、今すぐできる鍛練法を紹介しよう。用意するのは、とにかく手近にある本とボールペンだけだ。
“獲物”をグルグル巻きにせよ
本といえば、私の場合、自宅のベッドの上にも常時20冊前後が散らばっている。寝るときもそのまま。文字どおり肩身の狭い思いをしている。「片づけられない」のではない。「あえて片づけない」のである。
もちろん、これには理由がある。それを説明する前に、まず私の読書法、とりわけ必要に迫られた際に役立つ我流の速読術を紹介したい。あえて命名するなら、「狩猟型読書」だ。
本を読むには、何かについて知りたい、学びたいという目的や期待があるはずだ。そこで、ざっと目を通しながら、目的に沿うようなキーワードを見つけてボールペンでグルグルと囲んでいく(厳密にいえば「三色ボールペン」の「緑」を使う。拙著『三色ボールペンで読む日本語』を参照されたし)。捕まえた“獲物”を縄でグルグル巻きにするイメージだ。中身にもよるが、200ページの本であればだいたい10〜20語は見つかるだろう。
そうすると、グルグル巻きが集中しているページは、たいてい何カ所かに絞られる。その部分をあらためて精読すれば、それで読了と考えてよい。これが、1冊から最短で最大の“有効成分”を抽出する狩猟型読書である。
ポイントは、どんなキーワードに目をつけるか、にある。冒頭からじっくり読み込んでいくのではなく、アンテナを張って必要な言葉だけをキャッチしていく。自分で森の中をさまよって獲物を探し回るというより、「ここだ」と思う場所に網を張って虎視眈々と待つ、という感じに近い。実際に読むのは視覚だが、そこで問われるのは動物的な嗅覚、まさに直感である。
ではその感度をいかに高めるかといえば、これは何度も繰り返して慣れていくしかない。毎日のように、何冊でもチャレンジしてみていただきたい。最初は戸惑うかもしれないが、目的や期待がある程度明確になっていれば、さほど苦労することはないだろう。
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