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■中期計画の具体的な数値目標は、今の段階で固まっていますか。

中村 まだです。しかし、日本製紙グループには「グループビジョン2015」という「夢」がある。この夢の実現に向けた一手となることは間違いありません。

グループビジョン2015は、現在、世界8位である同社の売上高ランクを、2015年には、世界トップ5にすることを目指す。連結売上高で1兆5000億円〜2兆円。その内訳、国内事業7割、海外事業3割。連結営業利益率は8%〜10%。連結営業利益のうち1000億円は国内で稼ぎ出す。これらの具体的な指標も打ち出している。

■今年5月に発表したグループビジョン2015は、10年という長期計画ですね。最近では、これほど長期の計画はあまり聞きません。

中村 これは目標ではなくて、夢なんです。夢ならば大きい方がいい。その大きな夢に向かって、みんなで努力しようよ、ということなんです。目標だと、ある程度達成可能なものを掲げてしまいがちです。企業が存続するためには、持続的に成長することが大切。プロ野球の楽天イーグルスが、何年かのちに日本一になりたいと言っていましたが、そういうビションがないと企業は成長しないんですよ。

■世界トップ5入りのための条件は何ですか。

中村 海外をどう伸ばすかですね。グループビジョン2015に掲げた夢のなかでも、海外事業の比率を30%するのはかなり難しい。いまは7%程度ですから、これをどうするか。ただ、紙パルプ産業は、日本国内だけで成長させるのは、もう限界に達している。成長するには、海外に出ていくしかない。

まず大きなマーケットは中国。このほど、洋紙生産の拠点に関して、提携先との合弁解消を決めたので、これは振り出しに戻った。だが、ダンボール原紙は中国で生産する体制を整えているし、中国市場向けの販売会社も作っている。とはいえ、いま、売ることの難しさを勉強しているところです。改めて、手を考えなくてはならない。

他のアジア地域も視野に入れていく。例えば、タイは、中国と同じぐらいの伸び率がある。生産拠点をタイにおいて、作った製品を中国に持っていくことも考えられる。また今後の成長が期待されるインドもある。1人あたりの年間使用量は、数10Kg程度であり、北米などに比べると10分の1程度。人口も多く、まだまだ市場拡大の余地がある。ここでの手の打ち方も考えていく必要がある。

紙の世界は、これから3〜5年の間に、日本、台湾、韓国、中国、東南アジアが、ボーダレスになると考えているんですよ。

■それは、「輸入紙」という言い方がなくなるという意味ですか。

中村 そうですね。確かに輸入紙という考え方がなくなるかもしれない。価格も、ボーダレスになるでしょうね。そのなかにおいて、日本製紙グループはどうするのかといった対策を、きちっと立てていかなくてはならない。

中国では、70万トンの抄紙機(注:紙をすく機械)を設置しようとしているメーカーがある。当社は、国内3工場を合わせて、ようやく70万トンです。チラシなどに使用される汎用紙だと、大きな抄紙機で大量に生産するやり方が効率がいい。しかし、日本で70万トンの抄紙機を入れても、作った製品を売りさばくことができない。どうしても、輸出が必要になる。

一方、フィンランドやスウェーデンは、原木が国内にあり、まだ、使う量よりも、木の成長の方が勝っている。したがって、自分の国で作った紙を欧州、米国に輸出できる。

ここでもワールドワイドでの競争がある。つまり、これからは戦い方が違ってくるのです。こういう環境でも勝てるような体質をつくらなくてはならない。これが第2次中期計画を策定する上での基本的な考え方の一つになります。世界戦略を策定し、日本に強力な工場を造らなければ、日本の工場は全部潰れちゃいますよ。それでは困る。だから、日本の工場を強化してそこで勝負する。

next: 日本のマーケットはどうなりますか…

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