このページの本文へ
ここから本文です

バンダイ(2)〜成長の課題は海外展開

2005年8月25日

(聞き手:大河原 克行=フリーライター)

上野和典社長は、社長に就任してからも、以前から持つもう一つの肩書きを兼務している。それは、「CGO(チーフ・ガンダム・オフィサー)」である。同社において、売上高の2割を占めるガンダム事業を率いる役割だ。だが、そのガンダム事業においても大きな課題があるという。主力のガンダム事業、そしてバンダイの強みと弱みを、上野社長に自己分析してもらった。

■社長就任にあわせて、社員にどんなことを言いましたか。

上野 私は、5代目の社長なのですが、バンダイ初のサラリーマン社長なんです。ですから、「バンダイは、がんばれば、新入社員も社長になれる会社なんだ」ということを話しました。

■もともと創業者一族が経営を引っ張ってきた会社ですから、それは、社内的には、かなり重い言葉ですね。創業家である山科家時代の終わりを宣言することにつながります。

バンダイ 上野 和典社長

上野 そう受け取られる可能性はあるかもしれません。ただ、私が言いたかったことは別なんです。今から考えると無謀な話なんですが、17〜18年前に私は「社長になりたい」と思ったんですよ。私が係長の時代です。山科誠さんが社長で、創業者の山科直治さんが会長でしたから、まだ創業者一族が現役でやっている時代です。とても社長になれるわけはないと思っていました。もちろん、社長になりたいと思うのは勝手だが、それを人に言ってたんですから始末に負えないですよね(笑)。当時の発言を知っている人からは、「夢が実現しましたね」とか、「予定通りですね」などと言われますけど(笑)。

なぜ、当時社長になりたかったか。それには理由がありました。バンダイは、たいへん素晴らしい会社で、「感動創造企業」という精神も、自主独立の精神もしっかり根づいている。

だが、その一方で、やはり創業家の会社であるという意識もあった。社長や会長がイエスと言ったら、ノーと言えないのではと思う社員も多かった。そこに違和感があった。私はバンダイしか知らないですから、他の会社とは比較ができないのですが、「会社ってこんなものなのかなぁ」、「もっと民主的で自由な会社にならないのかなぁ」、「僕が社長になればそんなことができるのになぁ」と漠然と思っていたんです。本当に漠然とですけどね。

例えばの話ですが、創業者が反対しても、陰で応援してくれる人がいて、やりたいと思った人がもっと自由に挑戦できる。そんな会社にならないかなぁ、と思っていました。

それはともかく、言いたいことはこうなんです。「いつでも飛び出して、事業を立ち上げるぞ」という気持ちが、創業家一族が経営を担っていた時代よりも、減ってしまっているのではないか。今のバンダイは、パートナーとの連携も増えて、いろいろな手が打てるようになった。自社ビルも建ったし、ナムコとも経営統合する。だからお金もありそうだと考える社員もいる。ちょっと甘えた体質になっているのではないか。

バンダイにいるのであれば、単に給料をもらうだけでは仕方がないでしょう。バンダイが持っているDNAは何かということを、もう一度認識しましょうということなんです。私は、危機感を煽るマネジメントはしません。「僕が何か言い出すのを待つのではなくて、あなたから言い出してほしい。僕は、それを応援しますよ」ということなんです。

next: バンダイの強みと弱みとは…

(全 3 ページ中 1 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る