吉本興業(2)〜新しいメディア向け事業が成長のポイント
(聞き手:森 永輔=nikkeibp.jp編集)
CSテレビ、携帯電話、インターネット。劇場と地上波テレビを中心としてきた吉本興業にとって、新しいメディアの広がりは追い風だ。ただし、順風満帆というわけにはいかない。お笑い市場は拡大しすぎて限界に近づきつつあるとの指摘もある。吉野伊佐男(よしの いさお)社長はこの点をどう考えているのか。
■新しいメディアに対応した発想力のある人材が必要ということですが、新しいメディアに対応したコンテンツというのは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
吉野 すでに成果が出ているのはDVDです。昨年10月、アール・アンド・シー(本社:東京都千代田区)という会社を買収してグループに加えました。ここでは、人気番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」などを製作して販売している。世間のお笑いブームの追い風もあり、業績は好調。今後2年くらいは、この傾向が続く見通しを立てている。
携帯電話向けコンテンツについても、既に取り組んでいます。1曲の楽曲をまるまるダウンロードできるような時代になりました。ただ、やはり吉本興業ならではお笑いのコンテンツを配信していきたいですね。
■インターネットを土俵にしたコンテンツの展開については、いかがでしょう?
吉野 研究しなければいけないところです。楽天やソフトバンクが球団を買収して、ネットで試合を中継しようとしています。どうやって面白い番組にしていくのか、ものすごく興味があります。吉本興業の場合は、劇場におけるライブの面白さを、どうやってネットの世界に持ち込むかが重要なテーマになります。今のところまだ、解が見えていません。研究をしているところです。
■CS放送向けにコンテンツを配信する会社としてファンダンゴ(本社:東京都千代田区)をKDDIと設立しています。新しいメディア向けのコンテンツは、吉本興業社内で制作力のある人材を増やすとともに、パートナ企業と提携することで充実を図っていくお考えですか?
吉野 その通りです。2007年度は、連結売上高500億円を目指しています。このうちの60〜65%は、グループ会社の売り上げになると計画しています。2003年度の決算では、連結売上高375億円のうち、本体の売上高が300億円弱を占めています。80%くらいですね。だから、この比率が大きく変化することになります。

吉野 伊佐男氏/吉本興業社長
グループ会社の大半は、新しいメディア向けにコンテンツを開発する会社です。そしてグループ会社の中には、ファンダンゴのように、他のパートナ企業と提携してビジネスを進める企業もあります。
next: 劇場でのライブをはじめとするリアルの事業の展開は…
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