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───日本マクドナルドにおける強みとは何ですか?

原田 「サービス」、「バリュー」、そして「キッズとファミリー」です。キッズやファミリーに対して、価値のある商品を提供する。しかも、スピードという無形のサービスを添えて。ここに日本マクドナルドの強みがある。

単に値段を下げたり、むやみに高級指向に踏み出したり、といった戦略ではマクドナルドの強みを発揮できない。かつて、極端な低価格戦略をとり「デフレのリーダー」とまで言われました。しかも、次の戦略がないまま、むやみに低価格化していた。あれはマクドナルドがとるべき戦略ではなかった。

マクドナルドは、全世界で通用する数少ないブランドの一つです。そのマクドナルドが「デフレのリーダー」である必要はない。ゴールデンアーチのブランド(編集者注:看板などに利用されている、M字型の黄色いアーチのこと)が泣きますよ。どこにマクドナルドの価値や強みがあるのかをしっかり把握すれば、何をやればいいのかは自ずと分かる。今回の決算内容は、何をやるべきかが、トップから社員にまで徹底したことのあかしではないでしょうか。

2004年度の好決算は、既存店の回復が大きい。新規店舗の開店が41店舗だったのに対して、閉店したのが40店舗。純増はわずか1店舗だった。既存店売上高は前年比3.3%増。既存店客数も3.0%増となっている。

投資の多くを既存店舗における「メイド・フォー・ユー」の導入に振り向けた。注文を受けた後に商品を作るオーダーメイドシステム「メイド・フォー・ユー」は、2004年末で3721店舗に導入が完了。導入率は98.6%に達した。

───2004年の取り組みを振り返ると、原田社長としては、「守りの経営」の認識が強いですか。

原田 既存店舗への投資など内部固めによる業績回復は、外から見れば、「守り」のイメージに受け取れるかもしれない。しかし、「守り」だなんて思ったことは一度もないですよ(笑)。むしろ、この1年は、攻めに攻め抜いたという認識です。私は社内に向かってこう言っているんです。「コスト削減はばかでもできる。役に立たない社員を切ればいいだけだから」と。

しかし、そんなことをしても会社は伸びない。優れた社員をいかに伸ばすか、そして、お金を使って、どれだけ成長させるかがカギなのです。日本人は、お金を使って事業を伸ばすことに対して消極的すぎる。お金を使わずに伸ばそうとするから、伸びるものも伸びないことが多い。継続的な成長を目指すのであれば、投資に対して積極的であるべきだ。

メイド・フォー・ユーを全店規模で一気に導入したのも、それがマクドナルドの強みにつながると判断したからです。それだけの投資をする必要があった。

社員には「お金が必要だと思ったら、どんどん提案してほしい」と言っています。それが、社員に経営者感覚を植え付けることにつながる。かつての日本マクドナルドにはカリスマ経営者がいましたから、次の経営者が育ちにくいという風土があった。これを払拭しなくてはならない。私は、「新たな組織づくり」や「グローバライズ」の分野ではカリスマ性を発揮するつもりです。しかし、実務面はそれぞれの執行役員に任せています。

例えば、私自身、店舗によく出向きます。しかし、店舗のオペレーションには一切口を出さない。「少し店の雰囲気が煩雑だなぁ」と思っても、それを注意するのは別の人の仕事ですから私は注意をしない。店長はオペレーションのプロです。私よりもその点では熟知しているはずです。そのプロに対して、私がとやかく言うことはできない。

しかし、「店舗で何が課題となっていて、それを改善するためにはどうすべきか」、「お客様に喜んでもらうためにはどうするか」を発見することは私の仕事です。だから、店には教わりに行っているんですよ。これからもこのスタイルは変えないでしょうね。

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