堀田 私自身は子供のときから、「お前はリーダーになれ!」と育てられました。なぜなら、うちの祖父がある会社の創業者だったからです。そういう環境だったので、「なるんだったら、リーダーだ」と。「鶏口となるも、牛後となるなかれ」ということわざがあるでしょう? まさにそのことわざ通りのことを言われて育ちました。
どんな仕事だっていいんですよ。仕事の大小をはかることよりも、リーダーになって仕事を進めていく意識を持つことが重要です。
「自分がやらなくても、誰かがやってくれる」という意識で働くのと、自分がリーダーになって率先して働くのとでは、同じ「働く」といっても中身が全く違う。特に経営者であれば「誰かがやってくれる」という意識で働いていては務まりません。会社組織の一員として働くとしても、鶏口牛後の気持ちで仕事をするというのは大事じゃないかな。
テン・アローズでは貴重な経験ができた
■日本IBMを退社した堀田さんが最初に選んだのは、ITとは全く関連のない株式会社テン・アローズでした。ITメーカーから、女性用下着を中心とした衣料メーカーへの転身にも、驚かされました。
堀田 テン・アローズのグループ会社が、日本IBM時代に担当していたジェネラルビジネスのお客様だったんです。
■ニュースでも話題になった解任劇がありました。株主総会で、創業者一族から、三屋裕子取締役兼代表執行役社長(当時)と、堀田さんを含む取締役7人の解任を求める動議が出されました。普通のビジネスパーソンではなかなか体験できない、ドラマチックな場面では。
堀田 いや、解任云々ではなく、株主総会というのが初めての体験でしたから、新鮮でしたよ。もちろん、その前年の株主総会にも出席して役員に選任される経験もありましたが。
私が1969年から2006年まで37年間在籍していた日本IBMは、日本で株式を上場していません。米国に本社がある外資系企業です。だから、(日本IBMで)役員をやっていたといっても、株主総会の経験はないわけです。だから、株主総会自体が新鮮でした。
テン・アローズは実質的には3人の役員で運営していました。社員が1万7000人弱いて、執行役員が30人以上いる日本IBMに比べるとずっと小規模です。だから、官僚的なところがないというのか、いろいろなことを実行しやすい環境でした。
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