事故の余波で社員が疲弊 区役所に掛け合う
■2006年6月、「独立系エレベーター保守会社」が大きく脚光を浴びました。

馬 シンドラー社製エレベーターにトラブルが起こって、死者が出てしまった。そのエレベーターを保守していたのが独立系の保守会社だったからですね。
おそらくこの事故が起こる前は、多くの方が「エレベーターのメンテナンスはメーカーがやるもの」と思っていた。エレベーター保守を行う、独立系の会社があるなんて全く知らなかった方もたくさんいたのではないでしょうか?
この事故の後、当社にとってもマイナスの影響がたくさん出ました。けっこう大変だったんです。でも、「独立系でエレベーター保守をする会社がある」と一般に認識が広がる契機になりました。その点については、プラスだと考えています。
■マイナスの影響はどんなものでしたか?
馬 ある区役所のシンドラー製エレベーターの保守を請け負っていたので、事故の後、「24時間体制で、エレベーターに搭乗してほしい」という依頼がありました。ところが、少ない人数でやっていますから、24時間体制で張り付くのは決して楽なことではないんです。特に夜間。昼間働いている社員が夜も付きっきりになるわけですから…。交代でやるにしても、待機している要員は機械室で眠らなければなりません。布団もない機械室で眠るなんて長いことは続きません。しまいには、「会社を辞めたい」という社員まで出てきました。
■社長として、どう対応したのですか。
馬 そこで私が区役所と交渉をして、「トラブルが起こっている部分は、メーカーの製造者責任で直してもらわないと対処しようがない」と言いました。社員を常駐させるにしても、社員を休ませるスペースをきちんとつくるなどの措置が必要だとお願いしました。こちらがきちんと説明をすれば、相手も分かってくださいます。おかげで、社員が辞めたいと言い出すような事態はおさまりました。
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