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京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(KU-VBL)。高橋氏が代表を務めるロボ・ガレージが入居する

■KU-VBLは高橋さんのために誕生した施設ですか?

高橋 いや、そうではありません。京都大学は、社会とつながる産学連携の形を模索していました。その一環で誕生した施設です。なので、KU-VBLに入居し起業できたのは、タイミングが良かったんだと思います。

この施設にいると、人と会う場所に困りませんし、外部の方からの信用も高まります。もちろん、ずっと居続けるわけにはいかなくて、企業として規模が大きくなったら出て行かなければなりません。

■大学に再入学したメリットはいろいろあったわけですね。先ほど話にあった、特許取得を支援する仕組みがあったり。

高橋 ええ、良い選択だったと思っています。入学前にそこまで計算していたわけではなかったんですが。

第一志望の会社に就職できなかったこともよかった(笑)。私が就職するころはちょうどゲームの全盛期で、「いずれはすべてがバーチャルなものに置き換わる」と言われている時代だった。でも、いくらバーチャル全盛になっても釣りをしなくなることはないだろうし、釣りのリールに使われる歯車のようなリアルな機械が好きだったので、釣具メーカーに就職したかったんです。

もし、この釣り具メーカーに就職していたら、機械の製造ではなく営業に回されていたかもしれない。そんなことを考えると「就職試験に落ちたことが幸いだったんじゃないか」と思えるんです。

後から考えると、KU-VBLで仕事ができるようになったのは、運やタイミングが本当に良かったから。ロボット作りも、今のようにロボットを作る人が多くなかったから、注目されたんじゃないかと思います。私のようにフリーランスに近いスタンスでロボットを作っている人が全くいない状態でした。

■同じようなことをする人がいた方が、独りで活動するより、仕事の中身を理解してもらいやすいのではないですか。

高橋 逆だと思います。同じようなことをしている人がだれもいない、つまり、初めてのことをやっていると、だれにも敵視されないんです。敵視されるどころか、「自分にない考え方だ」という点を評価してもらえる。便利に利用してもらえる場面も多いように思います。そういった点から考えても、私は運に恵まれました。

高橋智隆氏へのインタビューは3回連載です。第2回は、5月19日(金)にお届けする予定です。

■高橋 智隆(たかはし ともたか)氏のプロフィール

【学歴など】
2003年3月 京都大学工学部物理工学科メカトロニクス研究室卒業
同年4月 ロボ・ガレージ創業
京都大学学内のベンチャーインキュベーション施設「京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」入居ベンチャー第1号

【主な実績】
関西テクノアイデアコンテスト2001グランプリ
関西テクノアイデアコンテスト2002グランプリ
キャンパスベンチャーグランプリOSAKAグランプリ
NBK学生ベンチャー大賞
ロボカップ2004世界大会優勝
ロボカップ2005世界大会優勝
大阪活力グランプリ受賞
クロイノが米TIME誌の「2004年の発明」に選ばれる
ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」に選ばれる

三浦 優子

1965年、東京都町田市出身。日本大学芸術学部映画学科卒業後、2年間同校に勤務。コンピュータとはまったく縁のない生活を送っていたが、1990年、コンピュータ業界向けの週刊新聞「BUSINESS COMPUTER NEWS」を発行する株式会社コンピュータ・ニュース社に入社。13年間、IT業界のメーカー、販売店などを対象に取材活動を行う。2003年4月、同社を退社し、現在はフリーライターとして取材、執筆活動を行っている。

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