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堀場 雅夫 堀場製作所最高顧問インタビュー〜各地の「八合目産業」をマーケットにつなぐ

(聞き手:松崎 隆司=経済ジャーナリスト)

 ベンチャー企業の育成が日本の競争力強化の重要課題だといわれている中で、なかなかベンチャー企業が育っていない。なぜ育たないのか。若くしてベンチャー企業を創業し、現在「京都市ベンチャー企業目利き委員会」の委員長も務める堀場雅夫氏にベンチャー企業を育てるためには何が必要なのか、聞いた。

■最近テクノロジートランスファー(TT、技術移転)や産学連携の必要性が強く叫ばれていますが、どう思いますか。

堀場 独立行政法人の産業技術総合研究所や大学はこれまで技術移転や産学連携に力を入れてきました。私たちはそうした動きを踏まえ、大学などがもっている最先端の技術で実用化の可能性を秘めたものをなんとか引き出し、産学連帯ができるようなパートナーを探そうと努力してきました。それでもなかなかうまくはいきません。商社なんかも相当入れ込んでやっていますが、なかなかうまくいかない。

■それはなぜなのですか。

堀場製作所最高顧問の堀場雅夫氏
1924年12月1日生まれ。京都大学理学部物理学部在学中の1945年、堀場無線研究所を創業。年学生ベンチャーの草分け的存在となる。46年に大学を卒業、61年には博士号を取得。78年には堀場製作所代表取締役会長に就任した。現在は同社最高顧問。

堀場 たとえばここに「すき焼きがたべたい」という人がいたとします。そのひとにすき焼きの原料は牛だからと、牛を所有している人を紹介してもすぐにすき焼きが食べられるわけではありません。牛を所有しているひとと「すき焼きを食べたい」という人の間に、(1)牛を殺すひと、(2)牛を解体するひと、(3)それをスライスするひと、(4)野菜をつけて料理するひと、とすき焼きにするまでに少なくとも4つの段階をへなければならないのです。産学連携でもただ注目できるような技術をもっているからといって即、それにスポンサーがつき、実用化できるわけではないんです。そうしたことを最近では理解するようになってきました。しかしそれにしても相当資金が必要です。小さなベンチャー企業がいきなり、こうした技術を利用するというのは簡単なことではないんですね。技術移転をベンチャー企業がやるのであれば、分野を相当絞り込まなければなりませんし、かなり実用化の目処のたっている技術ということになるでしょう。

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