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株式市場の未成熟が経営の迷走を招いた〜冨山 和彦 産業再生機構 元代表取締役専務兼COOに聞く(3)

2007年4月26日

(聞き手:荒川 龍=ルポライター)

(冨山氏インタビュー第1回第2回

困窮企業だけが特別ではなく、多くの企業が今も共有する「競争力の低下」

産業再生機構 元代表取締役専務兼COO 冨山 和彦氏

■企業再生を手がける過程で、中央や地方の別なく、日本の企業に巣食っていた「決断できない、いい人たち」経営についてお話を伺ってきました。冨山さんは再生機構が今回手がけた41社だけが特別な存在じゃない、とも発言していらっしゃいますよね。

冨山 それらの企業は、多くの日本企業が抱える傾向が極端に出てしまって、過剰債務もあって、危機的状況に陥った事例にすぎないんです。長年の経営不振とそれに伴う設備投資の抑制。事業戦略力と人材力の低下といった問題は、程度の差こそあれ、どの企業も今なお共有する問題点だと思いますよ。けっして他人事ではない。それらは企業競争力の低下に結びつくのです。

■株式会社という仕組みは本来、所有と経営を分けることで、経営陣が迷走した場合のチェック機能を備えているとも、冨山さんは発言されています。

冨山 銀行や株主のチェック機能が健全に働いていれば、それらの投資家側から指摘されて、経営者側は「しょうがないよねぇ」と、渋々ながらも不採算部門から撤退しているはずなんです。かつてはメインバンクが、その役割を果たしていました。いざという場合には銀行が経営陣に加わり、情に流されない決断をして、緊急事態を乗り越えたら平時の経営に戻る。一時的には銀行側が、企業内部では悪口を言われながらもね。実際、そうして危機を乗り越えてきた銀行と企業はたくさんあります。

地方には上場企業はなくて、経営をチェックできるのは各地方のメインバンクしかない。体力もあり、有能な人材もいて、銀行のトップの方針もきちっとしているところは、情に流されることなく、企業経営への健全なチェック機能を果たしていますよ。そういう企業は、早期に業績を回復させる。雇用も守られています。地域のメインバンク間において格差はありますけどね。

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