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人生は誰から学ぶ——。龍馬、それともシャア〜福井晴敏 & 皆川ゆか 特別対談(2) 新作『ユニコーン』で閉塞気味な文芸に突破口を

2006年12月20日

(取材編集:日経コンピュータ・渡辺一正、 事業局プロデューサー・中村均)

(前回記事はこちら

■シャアって誰がモデルになっているんでしょうか。

福井 富野監督じゃないですか。

皆川 『Z』くらいからシャアは監督を投影したものだって言われ始めたようですね。

福井 俺は、『逆襲のシャア』を見たときには、これは作り手の言いたいことをキャラクターに言わせているだろうなって思いましたよ。

皆川 あの作品では富野監督の光の部分をアムロに託して、闇の部分をシャアに託したという見方もあるようですね。対立概念をぶつけ合うことが監督の作劇の特徴ですから。

■福井さんの新作「ユニコーン」では宇宙世紀の歴史ということで責任は重大ですね。

福井 小説などのものづくりでは、いつも恍惚と不安がありますよね。でも、ガンダムならではの特別な難しさは、フィクションのフィクションは作れないということ。純粋な歴史小説ならフィクションだからという言い訳ができます。でも、もともとフィクションである『ガンダム』を、さらにフィクションだと言ってその中の歴史を少し変えてしまったら、作品として足場がなくなっちゃうじゃないですか。だから、『ガンダム』ほど、その歴史を意識して書かなければならない面倒な作品は他にはないですね。第2次世界大戦の小説の方が、よほど自由度は高い。

皆川 100%文芸の小説家が、『ガンダム』の長編を書くというのは、今回の『ガンダム ユニコーン』が初めてじゃないでしょうか。今回は外伝ではなく、宇宙世紀の新シリーズとしてですよね。時代的にはいつのお話になるんですか。

※編集部注 福井氏は,2006年12月25日発売の『月刊ガンダムエース』(角川書店)で、宇宙世紀のガンダム新作小説『機動戦士ガンダム ユニコーン』を連載で書き下ろす。

福井 『逆襲のシャア』の3年後からスタートです。ただ、プロローグは宇宙世紀元年(0001年)なんです。

皆川 なんか悔しいな(笑)。それに『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』というタイトルは、正直、ズルイ!って思いました(笑)。私の「オフィシャルズ」と同じくらいズルイなーと。

福井 我ながらよく思いついたなと思っています(笑)。“UC”ですからね。今回のストーリーはわりと自由にやらせてもらっています。ただ、世界観を統一する必要があるので、各種の詳細な設定はサンライズも含めて、いろいろ協議しながら決めています。設定類は文字でいろいろと説明しなくてはならない要素が多いので、ちょっと苦労しています(笑)。

皆川 私も小説『新機動戦記ガンダムW(ウイング)外伝』はかなり自由にやらせていただいたのですけど・・・・・・本当のややこしさは「宇宙世紀(U.C.)シリーズ」の外伝を書いたときに初めて知りましたね。なんと大変なことだろうと思いました(笑)。

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