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人生は誰から学ぶ——。龍馬、それともシャア〜福井晴敏 & 皆川ゆか 特別対談 『ガンダム』を作るのは歴史小説よりも100倍難しい!?

2006年12月13日

(取材編集:日経コンピュータ・渡辺一正、 事業局プロデューサー・中村均)

「ブルーレイディスク(BD)」と、「HD DVD」による次世代DVD戦争は、BDをメディアとする「プレイステーション3」の登場でいよいよ本格化してきた。

とはいえ、まだまだ多くの家庭ではDVDの視聴が中心だろう。そのDVDマーケットにおいて、関係者の間で今年最大の売り上げを見込まれているのが、12月22日にバンダイビジュアルから発売される『機動戦士ガンダム DVD-BOX1』だ。

すでに2006年9月の段階で12万セットを超える予約を記録しており、2007年1月に発売予定のDVD-BOX2もほぼ同数の販売が見込まれるという。上下2セットを合わせると実勢価格ベースで約5万2000円という“高価格商品”であり、その売り上げは62億4000万円にも上る。

プラモデルなどを含むガンダム関連の市場規模は、最終消費者ベースで約1000億円と見られている(日経BP社推計)。

今年は新作テレビシリーズがなかったものの、この事例を見るように、ビジネス面では引き続き堅調な動きを見せている。ただ、この背景にあるのはDVD業界の動きだけではない。出版業界でも新しいガンダムのプロジェクトがいくつか進行中だ。今回は小説家二人とガンダムのかかわりについて追ってみた。

歴史上、非常に重要かつ著名な人物の評伝が講談社から初めて刊行されることになった。その男の名はシャア・アズナブル。彼が生きた時代は“宇宙世紀”——。つまり人気アニメ作品『機動戦士ガンダム』の登場人物の評伝というわけだ。

2006年12月8日に講談社から発売された書籍「評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡」(上・下刊)は、1979年に放送された『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)、その続編の『機動戦士Zガンダム』、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』という3作品を通じて登場するシャアの姿に迫る評伝だ。

本書をめくると、「そうか! あのときシャアは実はこう考えていたのか」と膝を打つこと請け合い。アムロとの出会い、ララァとの関係、サビ家との対決、クワトロ・バジーナ(シャアの偽名)としての行動の変化など、彼の思いの神髄に触れることができるだろう。

今回は同書の著者である皆川ゆか氏と、同じくガンダムに造詣が深く『亡国のイージス』『終戦のローレライ』などの著者である小説家の福井晴敏氏に、それぞれの創作活動とガンダムの関係について対談してもらった。ちなみに福井氏も、2006年12月25日発売の『月刊ガンダムエース』(角川書店)にて、宇宙世紀のガンダム新作小説『機動戦士ガンダム ユニコーン』を連載で書き下ろす。

■お二人はファーストガンダムをリアルタイムではどのように受け止めたのですか。

福井晴敏(ふくい・はるとし)。1968年、東京都墨田区生まれ。1998年に『Twelve Y. O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』『戦国自衛隊1549』の映画化で話題に。最新作は『Op.ローズダスト』。(Harutoshi Fukui Official Web Site

福井 俺にとって最初は、「スーパーカー」「ウルトラマン」「ガンダム」という順番のものでしかなかったんです。もちろんガンプラは買ったし、劇場にも並んだけど、ウルトラマンの“ガチャガチャ”をやる気分とそう変わらなかった感じでしたね。だから、実は作品としてスゴいなぁと思ったのは大人になってからなんです。映画が好きなんで、18歳くらいのときレンタルビデオで映画版『機動戦士ガンダム』3作を久しぶりに見てみたら、「これは映画としてスゲぇ作品だ」って再認識しました。

皆川 じゃあ、ガンダムとは少し離れていたのですか?

福井 中学1年になったらそれまでのガンダムブームは落ち着いていましたし、自分の中でもパタリと終わってしまった感じでしたね。ただ、高校の時に続編の『機動戦士Zガンダム』が放送されるらしいぞ、という話を聞いた時には、また興味がもたげてきてテレビシリーズの本放送を見ましたよ。だからテレビではファーストよりも『Z』の方が、俺の感性には引っかかっていますね。

皆川ゆか(みなかわ・ゆか)。小説家。『運命のタロット』シリーズ、『ティーパーティ』シリーズ、ガンダム関連の著作では『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』「機動戦士ガンダム公式百科事典Gundam Offcials U.C.0079〜0083」などで知られる。現在、コミックボンボン誌にて連載マンガ『機動戦士ガンダムALIVE』のストーリー構成を担当。(GUNDAM OFFICIALS.COM

皆川 私は本放送のときからファーストを見ていました。福井さんとは時代が微妙にずれていて、『宇宙戦艦ヤマト』から『ガッチャマン』などに流れたアニメファンとして、『ガンダム』を見た感じですね。その時点では、そろそろアニメから卒業しなきゃいけない年頃だったんですけど見ちゃったんですよね(笑)。

ガンプラの方にはまったく興味はなく、SF設定などの世界観の中で生きている人間の物語の方が面白かったことを覚えています。放送の翌年にガンプラが発売されると小・中学生の男の子たちはプラモデルに没頭するようになっていきましたけど、私は”物語派”だったので高校生の頃、「コミックボンボン」を立ち読みして、「あっ! “ザクキャノン”が出てきた」なんてことにショックを受けていました(笑)。

ファーストガンダムの1話から24話までを収録した「機動戦士ガンダム DVD-BOX1」。価格は3万7800円(税込)。2007年1月26日に発売される「同DVD-BOX2」(3万1500円)には25話から43話までを収録

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